新橋にある奈良まほろば館に行った

 真っ青な空がひろがり、雲もほとんどない。北風が強く、まだ二月なのだと思わせる。春みたいにあたたかい二月よりこちらのほうが、らしくて安心感があるが、そうなるとあたたかい春にこがれる。人間は贅沢な生き物だ。

 3月の半ばに奈良にでも行きたいなとずっと思っていた。

 大体の旅のアウトラインは描いているが、さらにイメージをふくらませつつ、より具体化したスケジュールに落とし込みたいと思い、奈良のまほろば館に脚を運んだ。

 JR新橋駅銀座口から歩いて4~5分くらい。二度目だが少し迷った。銀座口に行くのに迷い、銀座口を出てから左右どちらに行くのか迷った。だが大きな通りに出るとすぐわかり、そこからはスムーズに行けた。

 観光案内のコーナーはあいにく誰もいなくて、「10分ほどお待ちください」と書かれたものがある。奈良の特産品を並べた棚を見ていると係の方がパンフレット抱えて戻ってきた。

 だいたいの日程を伝え、泊まる所はJR線天理駅のビジネスホテルの予定であると伝え、これだけは見たいところを伝えた。

 二泊三日を基本として、一日目にいちばんみたい所(興福寺)に行くことにした。二日目は山の辺の道を歩くことにした。法隆寺のある斑鳩にも憧れるが、天理に泊まると斑鳩に足を伸ばすのは大変なようだ。

 あまり欲張っても体力的な問題があるので、そこそこのスケジュールにしよう。

 この前いただいたパンフレット類に加え、今日はいろいろパンフレットを受け取った。奈良市は循環バスがめぐっているので、これを利用すると効率的に刊行ができるようだ。あまり混み合っていないといいが。なにしろ、人が多いところが嫌いなのだ。

 まほろば館を出て、銀座方向へ歩いた。

 グーグルで調べものをしているとき、偶然、石川啄木の歌碑が銀座6丁目にあることを知った。この機会に見てみたいと思い、6丁目をめざした。歩道に地図があり、そこからすぐのところだった。並木通りにある。

「京橋の瀧山町の

 新聞社

 灯ともるころのいそがしさかな」 啄木

歌碑の前にはロレックスの店舗があり、もし啄木が現代に生きていたらロレックスの時計を好んだらうかと思った。

 さらに歩いて日比谷に出て、日比谷ミッドタウンの化粧品コーナーで口紅を試してみた。ここはわたしのお気に入りの場所だ。