昨日、土曜日は歌人、小島なおさんによる「寺山修司のフレーズの力」を聞きに行った。
都営大江戸線・都庁前駅と直結の新宿住友ビル10階の朝日カルチャーセンターで開かれた。
オンラインとライブの聴講のどちらでも選べ、わたしはライブを選んだ。
小島なおさんの話を聞くのははじめて、であるし、ここで聴講するのもはじめて、なので行くことにしたのだ。
寺山修司の略歴とともに、18歳で歌人としてデビューした、いきさつが語られた。第二回短歌研究賞を受賞したことで歌人として華々しくスタートしたのだが、その背後には中井英夫という名プロデューサーがいた。歌人としての寺山を作り上げたわけだ。
寺山は第一回短歌研究賞を受賞した中城美枝子に詩劇を受けて、短歌研究賞に応募したようだ、
寺山修司の短歌のなかでもとりわけフレーズの使い方にインパクトがある、魅力的な歌を小島なおさんがピックアップし、それぞれの歌について語った。この内容がとてもよかった、
草の笛吹くを切なく聞きており告白以前の愛とは何ぞや 寺山修司
愛の告白についで詠った詩はたくさんあるが、告白以前の歌というフレーズで、告白前を詠ったのは寺山しかいない。
一本松の樫の木やさしそのなかに血は立ったまま眠れるものを 寺山修司
「血は立ったまま眠れる」はナチスドイツに抵抗したパリのレジタンスが使った言葉から触発されたのである。その言葉は「パリは立ったまま眠る」である。
寺山は俳句をはじめとして、さまざまな作品、文学とは異なる世界でつかわれた言葉を自由に取り入れて自分の歌を作った、それは自分を掘り下げるだけでは不十分で。たくさんの自分を作っていくことが世界を変えていく力になりうると考えたからではないだろうか。
寺山修司は短歌と別れて、演劇など他の
表現方法へと移っていくわけだが。短歌における方法論を別の表現方法に広げ、さらに発展させたのてまある。
寺山修司はわたしが高校生のときにはじめて知って、憧れの存在でもあった。だから、あれから長い年月がだったがこうして
寺山修司の歌について話が聞け、とても充実した時間だった。
今日、日曜は昨日の話の内容を思い起こして、ネットでいくつかのことを調べた。また、NHKプラスで見逃し陪審の短歌の番組を2つ見た。NHK短歌大会と俵万智さんが出ている「プロフェショナル」の番組だ。