梅雨空の朝、大地震

 一日中雨雲が空をおおい、小雨が降ったり止んだり。
 最近見始めた某局の「半分、青い」を見ようとテレビの局番を変えたそのとき、大阪の地震をテロップが伝えた。7時58分だったか。   
 それから一日中ニュースだけが放映された。
 地震直後の街の様子を伝える画面を見ながら、七年前の3月11日を思い出した。父が2月の初めに他界し、明日が四十九日の法要という日だった。家には14歳になる柴犬レオがいて、ふたりで激しい揺れを体験した。庭に出て立っているのがやっとという揺れだった。
 3,11以降、地震が多いような気もする。母や父が3,11の東日本大地震を知らずに亡くなったことをよかったと思うことがある。高齢の父母が足腰の不自由な身で激しい揺れを体験するのは厳しすぎるから。
 こんどはわたしが年老いてきて、父母と同じ立場になるとも思った。父母には娘のわたしがいたので少しは頼りになっただろうがわたしには誰もいないとつくづく思った。
 BSプレミアムでわたしの好きなルキノ・ヴィスコンティの映画を上映していた。「山猫」という映画だ。全編を見ることはできなかったが終わり近くの舞踏会の場面がすばらしかった。踊る人たちから離れて、独りの部屋でバート・ランカスターが演ずる伯爵が鏡に映るおのが顔を見て流す涙。クラウディア・カルナーレ演ずる甥の恋人と伯爵がワルツを踊る場面の華麗なる優雅さ。映画の楽しみ、映像に目を奪われる喜びを満喫させてくれた。
 BSプレミアムではルキノ・ヴィスコンティの「ベニスに死す」と他もう1本を上映する。ぜひ見たい。

学校のブロック塀が倒れて亡くなった女の子、登校の見守り活動に向かう途中、ブロック塀が倒れ亡くなった男性、あと数分早く通り過ぎていれば助かったかもしれないと思うといたたまれない気持ちになる。

 梅雨空の朝大阪を震度6弱が襲うテレビに知りたる

 5年前の3.11よみがえる抱えし犬と激震を耐えき