初冬の足音


今まで名無しのバラだったが、 
’ストロベリー・アイス’というバラかもしれない
 

 秋の深まりを感じていた。昨日はいつもより落ち葉の落ちる量が多く、掃き掃除をしない植え込みのあるところは一面、落ち葉におおわれている。
通路なども掃除をしないと落ち葉が目立つ。いや掃いても掃いても落ち葉が次々と通路に舞い降りる。
 今日は一段と冷え込み、初冬の気配だ。あの秋のあたたかい日差しはどこに行ったの?という、そんな一日。
 朝から友人の電話が相次ぎ、炬燵に入ったまま、話した。
 老犬レオはわたしの部屋でエアコンの暖房をかけて眠っている。昨夜(深夜過ぎ)突然起き、立ち上がろうとするので起こし、トイレかと思い、冷え込む外に出したがくるくる歩きまわり、ときどきよろめき倒れるが、いっこうにおしっこをする様子がなく、家に戻る。その後も眠ろうとしないレオ。興奮状態が激しく、廊下に出した後、わたしはしばらく寝たようだ。気になって起きた時、ドアにもたれて起きているのか寝ているのかかわらない状態。
 抱き上げ寝かせたが、そのままずっと眠っている。眠る場所は変わっているので、ときどきは動いているようだ。
 お昼近く都市ガス関係の業者が来て、レオのいる部屋に入ったがびくともしなかった。
 お墓参りに行きたいし、駅前に買い物にも行きたい。できれば花壇の植え替え用の花苗も補充したい。小菊をきれいさっぱり抜き取ったので、がらんとした花壇に彩りを入れたくなった。いままで買った花苗ではぜんぜん足りない。
 だがレオが起きないと、でかける気分になれず・・・・・・・。
 友だちと電話で、クリント・イーストウッドが主演している映画が良さそうだという話しになった。わたしも予告を見て、観てみたいと思った映画だ。クリント・イーストウッドは、「ローハイド」でカウボーイのロディの役を演じたころから好きで、変わらずずっと好きな男優であり、監督だ。これだけ長い間、好きな気持ちが継続し、関心を持ち続けた男性はクリント・イーストウッドだけかもしれない。
 例え、対象が俳優(監督)でも好きな気持ちが持続する人がいるのは幸せなことだとわれながら思う。できれば観ようとネットで調べると『人生の特別席』という映画で11月28日から公開。「TOHOシネマズ六本木ヒルズ」や「渋谷HUMAXシネマ」で上映される。さて、どうしようか。

名前の分からない現代バラが一輪だけ咲いた


 話は変わるが数日前、友人からの手紙を受け取った、介護されていた母上が亡くなられた後、気持ちが落ち込むことがあり、思い切ってイギリスの旅行に行った。エミリー・ブロンテの小説『嵐が丘』の舞台になったヨークシャー地方のハワ―スにも行き、「ブロンデ姉妹の面影が見え隠れする、そんな世界でした」と書かれていた。同封されていた一枚の葉書はエミリー・ブロンテ肖像画で一歳違いの兄が描いたものだ。
 手紙の文面とこの絵ハガキを見て、中学から高校時代に、ブロンテ姉妹の小説を愛読していたことを思い出した。まだ見ぬイギリスの地方の風景を頭に描き、なんどもなんども読んだ。マール・オべロンとローレンス・オリビエが出演したアメリカ映画『嵐が丘』の映画も見た。モノクロだったが、ヒ―スが咲く荒野はすばらしくきれいだった。
 ブロンテ姉妹の作品とは別に、ジェイン・オースティンの小説も大好きだった。特に『高慢と偏見』という小説を愛読した。二つの小説は恋愛をまったく違うアプローチで書いている。だがどちらもわたしにとって忘れ難く、今でも好きな作品。『高慢と偏見』は数年間に読んだが、大人になってからのほうがおもしろかった。

ウィキペディアからの知識だが、シャーロット・ブロンテジェイン・オースティンのことを情感がないと言ったようだ。確かに、ジェイン・オースティンが書いたのは恋の情熱からはほど遠い世界だ。


 老犬レオが起きたのは夕方4時ころ。あまり調子が良くなく、外に出してもほとんど歩かない。玄関の近くをよろよろ歩くがすぐ倒れてしまう。外でおしっこをしたのかどうか確認できなかった。
 ただ、お湯で薄めた牛乳はたくさん飲み、今日最初の食事もたくさん食べた。その後、クロワッサンも半分くらい食べた。起きたのが遅かったので、食事の量はいつもの量の1食半分くらい。
 食後、廊下の隅でおしっこをした。立っているのが難しいみたいで、フリースがおしっこで濡れていた。レオの体調がこんな調子だと、どこかにでかけるのは難しい。外出しても心配で、早く家に帰りたくなってしまうだろう。

夜10時半、書き加える。夕方4時にレオが起きてから、なぜ外でおしっこをしなかったかがわかった。寝ていた布団の上でそそうをしていたのだ。布団の上に置いておいたわたしの部屋着と、羽根布団が湿っていたので気づいた。泣きたい気分になったが、泣いても何も変わらないので、後始末をした。今度、なかなか起きないときはわたしの布団の上でなく、レオのベッドに寝かせるようにしよう。