朝は空気が冷たかった。三枚重ねて着てもさらに一枚はおるものがほしくなった。
身体の調子はあまりよくなっていないが昼食後、車に乗りホームセンターに行った。チューリップなどの球根を買うためだ。
花壇やプランターへの植え付けは11月に入ってからだが早めに買ったほうが種類が多いと思った。
チューリップの球根は3種類。濃い赤色、黄色に赤い筋が入ったもの、ピンク色の八重咲きを買った。
水仙は1種類。2個入りを。鉄砲百合の球根も買った。
鉄砲百合は十数年前から花壇に植えてきた。植え替えをせずに植えっぱなしで毎年花が咲いたが、何年か経つと球根が小さくなり花つきが悪くなる。そのたびに新しい球根を買って植え替えた。今回は三代目になる。二代目は柴犬レオがいた頃植えて、6年以上毎年花を咲かせてくれた。昨年は花数が少なくなり、球根の衰えを感じたので今年は新しいものを植えることにしたのである。
できればレオがいた時植えて、老犬ももこがいた時も咲いていた鉄砲百合の球根をそのまま植えて花が咲いてくれればいいと思った・・・・・寂しさがあるが植え替えることにした。
家に帰り、さっそく鉄砲百合の球根を植え付けた。百合はかなり深めに植え付ける必要がある。スコップで土を掘り返し、腐葉土を混ぜた。前の球根が小さくなって３つほど出てきた。ひとつは真っ白な芽を出していた。だが掘るとき根を切ってしまい花が咲かないのでかわいそうだが破棄した。
植えた鉄砲百合の球根は５つ。例年はもう小さな緑色の芽が出ている時期である。芽出しは少し遅れるが来年の夏にはきれいな花を咲かせてくれるだろう。
向かいの二軒の家の間にきれいな月が見えた。わたしの大好きな十三夜である。今夜の十三夜はとりわけきれいに思えた。この月は柴犬レオとよく見た記憶がある。ちょうど夜の散歩の時間に東の空に月が出て、家の前の道路や近くの川沿いの道から眺められる。
今夜も同じように川沿いの道に行ってしばらく月を眺めた。以前は高い欅の木があり、その木と月の組み合わせも好きだったが今年の春伐られてしまった。欅がなくなった夜空を眺め、犬たちがいた頃を偲んだ。
葉のまばらなスモモの枝が額縁の十三夜を窓越しに見る
