電子レンジが動かなくなった!

 早朝の空は魚のうろこのような細かい雲が空いっぱいに群れており、羊の毛のような手触りを感じた。この雲はいつも短い時間しか見ることができない。いつのまにか空から消えている。
 昨夜、夕食のために冷凍したご飯を温めようとしたが、電子レンジが作動しなかった。まったくの無反応におおあわて。コンセントを抜いてまた元に戻してスイッチを押しても動かない。
 あきらめ、パックのご飯を湯せんであたため食べた。
 今日の午前中はいつもの特別支援学校のカフェに行き、入れたての珈琲を味わった。少し早めに家に戻り、昼食を食べた後、こわれた電子レンジのサイズを計った。これ以上大きくなると場所をとり過ぎて使いにくくなる。
 車で山田電機に行き、同じくらいの大きさのレンジオーブンを探した。店員さんが来て、メーカーの違う3つのレンジを選んでくれた。価格は数千円違いで大きさはほぼ同じだが一つは奥行きが深い。奥行きが深くなると同じ場所に置いた場合、手狭になりそうで却下した。残る2つから今まで使ったレンジと同じメーカーのものを選んだ。
 壊れたレンジは28年間も使ったが同じメーカーだと扉の取っ手のかたちなどに共通点があり、スイッチのレイアウトも使いやすく感じたので選んだ。
 これから28年も使えるかどうか。使うこちらのほうがもつかどうか。
 車ん積んで帰り、さっそく梱包をほどいて台所のもとの場所に置いた。コンセントを入れて簡単な初期設定をした。
 冷凍したごはんを好みの状態に温めるのに少し手間取ったがそれもなんとかクリアした。前のレンジと同じように使えるようになるまでそんなに時間はかからないだろう。

道行を誘うがごとき雲の群れ流れ流れていづこの淵へ

色失う銀杏並木を自転車の灯りが遠のく夕焼けの街

コンビニの灯り輝く街角に立ちて眺める夕茜の空