オカメ桜をほめられてうれしい

 気温はそれほど上がらず、お昼前までエアコンをつけた。
 午前中は2本電話をかけた。電話で再来週会う時間と場所を決め、そのことをもう一人の友だちに電話で伝えた。友だちは母親の介護が大変で、娘である友だちが目の前にいても娘とわからないことがあり、一日何回も自分が娘でそばに居るということを伝える大変さを訴えた。家の中にいろいろな人がいるのが見えることもあるそうだ。
 お昼過ぎに近くに買い物に行き、昼食を食べた後は「伊勢物語」を少し読んだ。
 3時頃になり庭に出て、三鉢のクレマチスの植え替えをした。少し前から植え替えをしないと思い、植え替え用の土(赤玉土鹿沼土)は買ってある。伸ばし伸ばしになり、クレマチスの新芽が開き始めた。ほんとうはまだ芽吹かない前に植え替えをしたほうがいいのだ。
 寸鉢に植えた青紫色の花が咲く名前のわからないクレマチスは、枯れたつるを取り除き、鉢を横にして地面にたたきつけるとわりとすぐ根鉢が出てきた。古い土を取り除き、根をほぐして新しい土に植え替えた。中粒の赤玉土7割、大粒の鹿沼土3割くらいの分量で混ぜた土に化成肥料を適当に混ぜた。
 小さな鉢に植えたクレマチスは上のクレマチスをさし芽したもので、二回りほど大きな鉢に植え替えた。青紫色のクレマチスはわたしが14年ほど前に買った初めてのクレマチスで、母もこの花の色が好きだったので思い出がある。さし芽にして子孫を残したかったのである。
 三鉢めはそんなに大きくない鉢だがいちばん大変だった。鉢のなかに根がギッシリと張ってしまい、たたいても回りを棒でつっついても根鉢がとれなかった。最後に鉢の底をこわして引き抜いた。黄色を帯びた根がかちんかちんに張っていた。下のほうをほぐした。周囲はぎっしりと根が回っているが中心はそんなでもない。水につけて土を落とそうとしたが根が多すぎて無理なので少しだけ根を切った。つるが弱く作業中に裂けたのでセロテープで補強した。クレマチスのつるは完全に折れてしまわない限り、補修すれば大丈夫。
 手をどろだらけにして作業していると家の裏の細い道を通りかかった近所の奥さんがオカメ桜を指して「これは何の花?」と聞いた。ほぼ作業は終わっていたので近くに行ってオカメ桜という早咲きの桜であることを伝えた。可愛くて色もきれいで何の花かなと思ったの。梅ではないし、桃とは違うし・・・・桜なの!とてもきれいね。
 さきほどの買い物の帰り、この奥さんと同じ道を通って家に帰ったときオカメ桜を惚れ惚れと眺めたのであったが同じように見てくれる人がいたのでわたしはうれしくなった。今年のオカメ桜はやっと存在感が出てきた。ひと目を引く何かを持つようになった。柴犬レオがいた2012年の今頃植えて6年目。自分のこどもをほめられたようにうれしい。レオ君、君と植えた桜がほら、こんなに背丈が伸びてきれいな花を咲かせているよ。

 わが丈に及ばぬ桜大きくなり仰ぎ見る樹が満開となる

 下向きのオカメ桜の花に来てかろき目白の難儀を見たり