免許の更新に行く

 朝は防寒対策をしていない水瓶に氷が張っていた。零下4℃の日が続いたあたりからあまりの寒さに打つ手がなくなり、お手上げ状態でほぼ何もしていない。新聞紙5〜6枚を水瓶に巻き付けるくらい。
 1月に届いた免許更新の知らせ。誕生日の前後二か月が更新期間だ。なるべく早くすましてしまいたかったので今日更新に行った。5年に一回なので前の更新時には柴犬レオが家にいた。その後、レオが他界し1年9か月後に柴犬の雑種のももこが家に来てそのももこも1年6か月あまりで逝ってしまい、今日に至っている。いろいろな変化のあった5年だった。
 前の更新はゴールド免許なので近くの警察署で行えたが今回は軽微な違反が一回あり、離れた場所まで足を運ばなければいけない。その中でもいちばん行きやすそうな都庁ビルの2階に行った。
 JR山手線の新宿駅西口から歩いて10分くらいだが近くまで行ったのになかなか目的地のビルにたどりつけなかった。高層ビルはどれも大きくてしかも広い道路がビルとビルの間を走っている。地図で見ればすぐそこだが、すぐそこまで歩くのが大変。横断歩道の数も限られ、向こうに渡るだけでもひと苦労だった。
 たどりついた免許センターで更新料を払い、簡単な裸眼の検査をして、手続きをして写真を撮って、1時間の講習が受けられる。ゴールド免許なら講習は30分。いろいろをふくめて前の更新より数倍の労力を使ったような気がした。
 新しい免許を無事受け取り、ついでに都庁の展望台に上がってみようという気になった。エレベーターを待つ列に加わり、いざ乗れるというときになって急に怖くなった。列から離れたわたしに係りの人が大丈夫ですかと声をかけてくれた。あそこに椅子があるから座って休んでくださいと。曖昧な返事をわたしはそこから離れた。
 別に気分が悪いわけでもめまいがしたわけでもないが狭い所、人が密集しているところが苦手なのである。狭くて人がいても出入りが自由ならば大丈夫なのだが。東京タワーに上ったときもいちどエレベーターに乗れなかったが気持ちを立て直してなんとか次のに乗って上に行った。今回はその時よりエレベーターが狭くて再トライできなかった。
 いつかまた上れるときもあるだろう。
 帰りは新宿の東口に出ておそい昼食をとり、伊勢丹に行きチョコレート売り場を見て回った。扉付きの売り場があり、入場制限をしていた。外には女の人がたくさん並んでいた。とてもありがたそうなチョコレート。買ったか買わないかは内緒である。

 人を運ぶ灰色の箱苦手にて都庁の展望台にのぼれず

 五年経て写真の顔は老ひを増す免許の更新をおこなへば

 刑務所作業製品 地下道の一角に売られ人あまたをり