陽射しがない小寒の1日

 年末も年が明けてからも陽射しに恵まれる日が多かったが今日は朝からまったく日が射さない。風はないが気温も上がらず寒い。
 昨日の夕方、年末から入院していた母方の叔父が三日に息をひきとったと従妹から電話があった。母の兄弟はこれで誰もいなくなった。叔父の享年は92歳で母と同じだ。笑顔がわたしの母とどことなく似ていた。叔父は母を姉として好きだったように思う。叔父が母のことを話すときの話し方に気持ちがあらわれていた。
 古い写真に(今住んでいる家の近くだと思うが)畑のようなところで撮った写真があり、着物を着た母と中学生くらいのふたりの叔父が写っている。母と叔父は10歳くらい年の差がある。母の一家はその当時、東京ガスの前身だった会社を早期退職した祖父が始めた温室を営んでいた。果物や切り花を栽培していたようだ。温室をはじめてからほどなくして日本が戦争に突入した時期だったので、温室経営はうまく行かなかったようだ。祖父は東京の理系の大学を卒業しているが叔父は中学しか出ていない。
 午後から横浜美術館に行こうと思っていたがあまりにも寒いので中止にした。
 明治神宮の1月の月次献詠歌を葉書に書いて投かんした。今年の短歌生活がはじまった。「初詣で」という兼題だがあまり自信がない。いつか自信を持って歌を投稿したり出詠するときが来るだろうか。いや、そのように自分を高めていこう。自分がやるしかない。


陽があたり蜜柑が実る道えらび氏神さまの初詣でにゆく

ビル風が頬に痛しふるきよきパリのうつしえを観に行きたり

アジェ撮りきふるきよきパリ人肌のぬくみにじめるモノクロ写真

母に似た笑顔を持てる叔父の死を二0一八年四日に知らさる

帽子かぶる紳士淑女は同じ空を眺めたり日食のパリ 

路上に売るパリのランプのかさ売り さまざまなかさを手に持ちて