映画「ゴッホ 最期の手紙」

 友だちから教えてもらってぜひ見たいと思った映画「ゴッホ 最期の手紙」を見に行った。上野と六本木の映画館で上映していたので迷わず近いほうの六本木を選んだ。
 日比谷線六本木駅C1出口から歩いて3分ほど。TOHOシネマズ六本木ヒルズで上映しているがインターネットで調べたところ、今日が最終上映日のようだ。
 複数のミニシアターが集まった映画館でそんなに広くない館内だがかなり人が入っていた。
 ゴッホの絵画の筆致、色彩を真似て100人以上の画家がこの映画の製作に関わった。ゴッホの絵がそのままアニメーションになった世界で、ゴッホが描いた郵便配達夫やタンギー爺さん、船着き場、教会、鴉が飛ぶ麦畑、星月夜などよく知っている絵画が映画の中に登場する。
 映画はゴッホ自死したといわれる1889年の2年後からはじまる。ゴッホと親しかった郵便配達夫がゴッホが最期に弟のテオに書いた手紙を、自分の息子に託してテオに渡そうとする。テオはゴッホの死後半年ほど亡くなったので息子はゴッホの主治医に手渡そうとゴッホが最期に滞在した村に行く。
 ところが医者はパリに出かけていて不在。息子はゴッホの死の真相を知るべく、ゴッホの足どりを追うのだ。
 映画に登場する人はほとんどがゴッホの絵画に描かれた人で、それぞれの話は少しづつ食い違っている。息子の身に妙なことが起こったり、観客を映画の最後まで引っ張っていく。
 パリから帰ってきた医師と息子が会い、あることが語られる。映画のなかでゴッホが書いた二通の手紙が読みあげられる。この手紙がすばらしい。
 映画の最後に泣いてしまった。両隣の女性も泣いていることがわかった。右隣の女性は映画が始まる前から映画の上映中も音を立てずにポップコーンを食べていたがそれでも泣いた。
 上野の森にゴッホの絵画を見に行こうと思った。