今日は月に一度の明治神宮歌会の日。
JR原宿駅から明治神宮へと歩くと外国人の観光客がいつもより目立って感じられた。鳥居の前はほぼ外国人で記念撮影をしている。
鳥居をくぐり、会場の社務所に急ぐ。
今日の講師は佐伯裕子先生で、当座は「番」。「つがい」と読んでも「ばん」と読んでもいいが、この一文字が歌に詠まれていること。
「番」という文字を白版に見たときは少しびっくりした。どんな歌が詠めるの?という気持ち。さっそくノートに番の字を使った熟語を書き出し、その熟語を入れていくつか詠んでみた。「つがい」と読む歌は今回はやめた。
わたしが出詠した歌は次のように
出番待つ役者のやうな顔をしてひよが桃の木にとまりてをる
先生は結句の「とまりてをる」は一文字足りないので「とまりていたり」にした方がいいと言われた。「出番待つ役者のような顔」がヒヨドリであるのがいいと。これが人間だったり、猿だったりするとリアル過ぎる。また、ヒヨドリは桃の木によく来るので桃の木にとまっているのもいいと。やわらかくふくらみのある歌と言ってくださった。ふくらみのある歌というほめことばは初めてなのでどまどいがあるがうれしい。
出番待つ役者のやうな顔をしてひよが桃の木にとまりていたり
他にこんな歌も詠った。
出がらしの番茶飲みつつ晩年の母と語らふ時がありたり
番台に小銭を出して銭湯に入りし日々よ遠くなりゆく
当座とは関係ない歌も
草の影ゆらせる鯉が過ぎ行けば何ごともなく影もどりたり
野焼きのあとの阿蘇高原に翁草咲けるを今朝のテレビで見る
茎や花を綿毛が飾り花終われば翁草は白髪に変わる