老犬ももこの二七日

 台風と秋雨前線の影響か、曇りでときどき雨が降る変わりやすい天気だった。午後から晴れる時間が多くなり夕方は青空がひろがっていた。南の空に三日月の影が見える。
 今日は8月26日に他界した老犬ももこの二七日。残されたわたしは気持ちが落ち着かない日々が続く。昨夜は夕食後、急に外に行きたくなり、車を運転して駒沢公園に向かった。ももこと一回だけ車で遊びに行った公園である。駐車場に車を入れることなく、駒沢通りに車を停めた。車を降り公園内にあるドッグランのほうに歩いた。ここであの日のももこに会えるわけではないが、思い出の場所に行きたくなるのはわたしの性癖みたいなもの。前の柴犬レオのときもよく思い出の場所を訪れた。ももことは過ごした時間が短いので思い出の場所も限られているがそれだけに駒沢公園が忘れがたい場所になりそうな感じがある。ももこと来たのは2月22日で花の時期には早すぎるまだ春の気配もかすかな頃だった。
 今日も家の中にひとりでいると落ち着かなかった。8時頃友人から電話がありお取り寄せの美味しい葡萄があるので持って行きたいとのこと。この友人はももこをわたしに紹介した人である。いただいた皮ごと食べられるマスカットは(友人の了解を得て)まずももこにお供えした。ももこは果物が好きだったから。
 友人が帰った後、近くの別の友人に電話をして(友人がほしがっていた)秋まきの種を持って行きたいという口実でお邪魔した。手作りのお昼ごはんをいただき、4時間くらい話し込んだ。この家の愛犬も今年の4月初めに亡くなっていて、お花を持って行き亡骸と対面した。その後、わが家のももこの調子がよくなく、今日まで友だちの家を訪れることがなかった。あれからももこのことに集中して毎日を送ってきた今になって見るとああすればよかったと思うことがいくつかある。
 ももこ亡き後、友人に支えられて日々を過ごしているような気がする。

エアコンがきいてる部屋で愛犬の骨と過ごしたる残暑の9月
木漏れ日が揺れる庭土 落果せし柿の実朽ちて皮残りおり
オカメ桜植えて4年で丈4倍植えしころいた犬の姿なく



昨日の早朝撮った朝顔と空の写真
今日は写真を撮らなかった