来客あり

 お正月も3日になった。今年はお正月気分が長続きしない。明日から世間は動き始める。わたしは仕事始めがないので、世間と調子を合わせる必要はないのだが、やはり何かとすることがあるのでお正月気分を続けられない。
 午前中、珍しく来客があった。少し離れた近所に住む犬友だちである。柴犬レオがまだ若い頃、ときどき多摩川の河原で散歩中に会うことがあった。
新しく家に迎え入れた老犬が元気かどうか様子を見に来たとのこと。
 ももこは日の当たる広縁に横座りになっていて、顔つきはぼーっとした感じであまり元気そうに見えない。犬友はそんなももこを見てストレートにあまり元気そうではないねと言った。確かに新年になって後足の調子がいまいちで、食事をするときも後ろ足が開いてしまい、ぺたっと尻餅をついたような姿勢で食べていることがよくある。そんな時は腰のあたりに手を回して立ち上がらせ、そのまま支えながら食べさせることもある。
 犬友はももこが前の柴犬レオによく似ていると言う。レオを知っている人はほとんどがよく似ているという。似ているから家に迎え入れたのかもしれないが、似ていると人から言われるのは嫌である。
 似ているようで似ていないももこ。眠っている姿はレオがそのままいるような気持ちになるほど似ている、尻尾や足の長さ、耳の大きさなど細かいところはまったく違うが、全体の印象が似ているのである。
 午後からは新年になって2回目のお墓参りへ。静かな墓地の上にはきれいな冬空がひろがる、この空を眺められるだけで幸せと思う。白木蓮のつぼみが空に向かって手を差し伸べているように見える。もっと光を、と。

五重の塔とつぼみをつけた白木蓮

墓地にそそり立つ大公孫樹