真冬の寒さの日、モネ展を観に行く

 朝方は曇りだったが、10時頃から冷たい雨が降り始めた。
 トイレが近い老犬ももこを家に置いてでかけるのは不安があるが思い切って前から行きたかったモネ展にでかけた。上野の東京都美術館で12月13日(日)まで開催している。開館してすぐの時間のほうが混んでいないだろうと思い、9時過ぎに家を出た。
 雨が降る中、けっこう人出が多く驚いたが、館内では思ったよりゆったりと絵画を鑑賞することができた。
 フランス・パリにあるマルモッタン・モネ美術館所蔵の作品が展示されている。クロード・モネの絵画だけでなく、モネがコレクションしていた作品も展示されいている。ルノアールがモネを描いた肖像画、モネの最初の奥さんを描いた肖像画もあった。モネが描いた自分の息子の幼いころの肖像画もあった。
 モネの描いた白いクレマチスの絵は時間をかけてゆっくり観た。白いクレマチスを描いてみたいと前から思っていたし、実際、一枚描いてうまくいかなかった。どうすればいいだろうと思っていた。白い花を主役にするために葉っぱはほとんど描きこんでいない。白い花にはピンク系やイエローなど様々な色が使われている。
 やはり、いちばん印象に残りインパクトがあったのはモネの最後の住まいとなったジヴェルニーの庭の絵だ。何枚もの睡蓮の絵。バラの小道の絵。枝垂れ柳の絵。庭にあった日本の橋の絵。
 アガパンサスの花と睡蓮の絵は、アガパンサスの葉が大胆な筆致の緑色だけで描かれていて、最晩年の絵につながるような気がした。また、絵の構図が浮世絵を思わせる。アガパンサスの花もいつか描きたいと思っているので、こういう描き方もあるのかと感動した。
 今回の展示会でいちばん観たかったのはモネの最晩年の絵で、ほとんど形が描かれていない色彩の渦のような絵に言葉を失った。
 無理をしてでも来てよかった。もう二度と観られないかもしれない。
 見忘れたものがある。モネが使ったパレットを見損なった。
 絵を観ることだけに集中した外出は約4時間半。ももこはお行儀よく留守番をしてくれた。また気になる展示会があったら行きたい。