梅雨の晴れ間、明治神宮の歌会へ

 朝から青空がひろがり、夏の雲が空を漂う。空を眺めるのが好きだが特に夏の空が好きだ。

 楠(くすのき)の梢の向こうに夏空がひろがる季節が今年も来たり

 明治神宮歌会の今日の当座は「燕(つばめ)」。講師の方は松坂弘さん。当座の意味が今日はじめてわかった。その場で出される短歌のお題を「当座」というそうだ。会場に行って初めてお題がわかる。反対に兼題とは前もって出されるお題のこと。短歌を詠うために使える時間が長くなる。
 当座を詠った歌の選評の前に、6月の兼題「茄子」を詠った歌の選評がある。兼題のほうは日本全国から応募作品が集まる。今回はわたしが応募した歌が選外佳作に選ばれた。初めてのことである。

 茄子紺のブラウス着れば初夏の風遠き海から吹きてくるなり

 実際に茄子紺のブラウスを着て出かけたわけではないが、晴れた初夏の日に海からの風を感じたいという思いを詠った。

 こんな歌も詠った。茄子紺の日傘をさしてはけ雲が流れる空の下でかけたり

 今日の当座を詠った歌は

 愛犬と河原で遊ぶたそがれに燕は低く空気を切りたり

 柴犬レオとの思い出を詠った。いつ頃のことか忘れたが、レオと多摩川の河原を散歩しているとき、燕が地面すれすれをとびかっていた。空が暗かったように記憶している。

 先生は「切りたり」を現在形に変えたほうがいいのではないかと言われた。


楠の向こうに夏空がひろがる