ベニカナメの剪定、スモモの間引き剪定

 早朝は厚い雲が空を多おおい、その割れ目から青空が透けて見えた。日が高くなるにつれて雲は搔き消え、うっすらと刷毛雲がひとつふたつ浮かぶ快晴の空となった。
 日中も気温はそれほど上がらないが、陽射しは強い。まだ陽射しが強くならない朝7時前からベニカナメの剪定の続きをした。ベニカナメはお隣との境に何十本も植えられている。敷地の奥から切り始めたのが5月半ばころ。その間に椿の剪定、ツツジの剪定などがあり、間をあけて数日前から剪定の続きをしている。
 取っ手の長い刈込鋏で側面を刈り込み、次に脚立に上り、木の上の部分を刈り込む。ベニカナメは長方形の壁のような形に刈り込まれ、連なっている。3〜4本づつ、側面を切り、上を切りを繰り返し、道路の方向に向かって切り進めていく。ベニカナメの生垣〈といってもフェンスはある)の近くに、梅の木やスモモの木があり、梅の木の徒長した枝を切った。スモモは実がたわわになり過ぎて、太い枝の先がベニカナメの生垣の上に乗っかっている。この大枝は実がぎっしりとついているが思い切って,バッサリと切った。さらにこれより細い枝で身がいいっぱいついている枝を5〜6本切った。それでもスモモの実の重みで、太い幹がしなっている。枝全体がおじぎをするように、スモモの木の前に植えた梅の木におおいかぶさっている。
 まだ緑色の果実だが熟したらもっと重くなり、枝どころか太い幹が折れるかもしれない。緑色の果実の小さめのものを間引いたが、このくらいでは追いつきそうにない。あと何本か実の付いた枝を切ることになるだろう。
 剪定疲れか、午後は1時間半ほど昼寝をした。父母が寝起きした部屋で今は仏間になっている8畳間で眠った。午後はこの部屋がいちばん涼しい。庭の柿の木が木陰をつくっているので、外廊下にも日がさすことなくほどよい風が流れ込む。老犬ももこは、こちらから見える隣の部屋に眠っている。昼寝から目覚めたときも、ももこは同じ場所で眠っていた。起きてすぐ、母のことを思い出した。母は7年前のお正月三が日は家で普通に過ごし、4日から具合が悪くなった。近くの町医者にかかりながら翌日の5日は家にいた。わたしが昼寝した部屋で日中は横になっていた。母にとってこの部屋で過ごした5日が、この家で過ごす最後の日になった。翌早朝、救急車で病院に運ばれたのである。最後の日、母はどんな気持ちでこの部屋で過ごしたのだろうか。今までこんなことを思ったことがなかった。母の気持ちは知ることはできないが想像をめぐらすことはできる。心の中であの日に帰って、母に聞いてみたい気もした。


鈴なりの実の重みにしなっているスモモの枝

梅の木におおいかぶさっている

ベニカナメの上に覆いかぶさり、切り落としたスモモの太い枝


満開の手まり咲きの紫陽花

こちらは額紫陽花