陽だまりの広縁ぬくし

 冬晴れが続く。風は冷たいが陽射しはあたたかい。お昼前から午後にかけて、居間に続く広縁や仏壇のある8畳間の縁側は陽射しが降りそそぎ居眠りがしたくなるほど心地よい。
 一昨年亡くなった柴犬レオのお骨が家にあるので、縁側の陽だまりに骨壺を置いてあげた。

 陽だまりの広縁ぬくし骨壺はひとり陽射しを浴びてくつろぐ

 午前中は近くの特別支援学校のカフェに足を運んだ。珈琲を注文する。他のお客さんも珈琲を頼み、一人が熱い珈琲を、と注文した。この店の珈琲は味が濃くて美味しいのだが、いつもぬるめなのが気になっていたが、生徒さんが入れる珈琲なので仕方ないと思っていた。正直に熱いのが飲みたいと注文したお客さんに感心した。こうしてほしいという希望は我慢せずに言った方がいいと思った。
 午後は車で花屋さんに行き、墓参用の花と、薔薇咲きのプリムラをひと苗買った。その足で駅前に寄り、駐車場に車を置いて買い物をいくつかして家に帰った。束売りのストック〈濃いピンク)とガーベラ〈黄色)、チューリップ〈ピンクとグリーンの混色)をほどいて、2つの花束にし、何本かは仏壇にお供えする花にした。夕方近くになっていたので、急ぎ足で近くの菩提寺へ。途中、犬を散歩させている知人に会った。彼女は他の人の飼い犬を泊りがけで預かったり、しつけをしたり、散歩を代行したりなどを仕事としている。犬のしつけやトレーニングについて、本格的に勉強しているので、飼い主さんが手こずっている犬を預かってしつけをするなどもしている。散歩させている犬は柴犬レオがよく歩いた多摩川の河原で会った記憶があり、レオの若い頃に思いを馳せた。
 お寺には葬儀社の車が何台かとまっていた。通夜が行われるのだろうか。父母のお墓に新しい花を手向け、ふたりのひ孫が今日、中学の受験に行ったことを報告した。受験がうまくいくよう見守ってください。


 うつしみが遺影となりし愛し子をふるえる手にてたてかけんとす

 後藤健二さんの遺影を手にしたお母様。遺影を持たれる手がおぼつかなく、なかなか祭壇に置くことができなかった。後藤さんが遺影となりおさまることを嫌がっているようにも見え、お母様の受け入れがたいお気持ちが表れているようにも思え、胸を突かれた。

花屋さんで買ってきた薔薇咲きのプリムラ


落葉ツツジのつぼみ
多くのツツジは落葉しないが、このツツジは葉が落ちて若葉が出る前に花が咲く