三井記念美術館「雪と月と花」へ

 朝は早く起きたが午前中、調子が良くなく横になって少し眠った。起きると昼近く。障子からさす光が明るく、木の葉の影が映り、妙な虚無感が。この世に戻ってきたという感じ。
 本当は午前中からでかけて、日本橋室町にある三井記念美術館に行きたかったのだが行けそうもないと思った。
 だが昼食を作ったり〈きつねうどん〉、食べたりしているうちに元気が出てきてでかけることになった。
 銀座線三越前駅から直結している。三井本館7階にある美術館である。エレベーターの外観が重厚、トイレもクラシックな雰囲気で個室のドアの下側が開いているのがおもしろい。トイレに閉じ込められたら下から出ていけそう。
 美術館の第一、第二展示室は昭和4年に竣工された当時の三井本館の室内をそのまま生かしているそうで、展示室そのものが鑑賞の対象になる。茶碗や茶道具がいろいろ展示されていた。お茶は嗜まないのでお茶を愛好するものとして鑑賞はできないが、展示されている茶碗はどれも味わいがあっていいものだなと思った。
 いちばん見たかったのは円山応挙の「雪松図屏風」で遠くから見たり、至近距離で見たり、時間をかけてじっくり鑑賞させていただいた。色は黒と金色だけ。だが松の緑を感じさせるのが不思議だ。雪は白抜きで表現している。松の葉は雪の積もっているところとそれほどでないところを葉の多さで表現して、雪が盛り上がっているように見える。
 「雪中松に鹿図屏風」もよかった。鹿の毛並みの筆使いを見ていたら、柴犬レオの絵を描いていた時を思い出した。鹿の屏風は2点あるが、一点は筆先で細い線を使って毛並みを出している。もう一点は毛並みを毛並みとしては描いていない。
 あと、梅の花の描き方もいろいろあっておもしろかった。円山応挙の梅、奥村土牛の梅・・・・・・・。


三井本館の夜景
三井記念美術館はこのビルの7階にある