庭の椿にチャドクガ

 朝6時頃を起きて、ひんやりとした空気の庭を通って、近くの用水路沿いに行った。道路から下の水路まで、石の階段で降りることができ、飼い主さんが愛犬といっしょに水辺を歩いていた。亡くなったレオともときどきこの水辺で遊んだなとなつかしくなった。
 水路には誰かが離したのだろうか錦鯉が何匹か泳いでいる。ふつうの鈍色の鯉はもっとたくさん泳いでいる。わが家に遊びに来た友だちが、この鯉を見て「生き物が近くにいるっていいわね」と言ったのを思い出した。彼女は9年前の秋に亡き人となった。この用水路沿いを毎日のように歩いているが、このことをずっと忘れていた。友だちが「わたしの分まで楽しんで生きてね」と言ってくれたように思った。
 毎日、家の出入りごとに歩いている庭の通路沿いに植えた絞り模様の花が咲く椿の木がある。今朝、その木の下を通り過ぎた後、なにげなく目をやったら、藁くずのようなものが枝先の葉にこんもりと固まっている。ええ!と見直すと,チャドクガの幼虫(毛虫)だ。毛虫が重なり合い,毬のようになっている。陽射しの強い夏が過ぎ、秋の訪れが庭にもさまざまな変化をもたらしているが、この毛虫の発生もそのひとつ。夏の余韻を引き摺っているが、スイッチを入れ替えないと・・・・・。
 早速、買ったばかりの高枝鋏を取り出し、チャドクガごと一枝を切り落ちし、殺虫剤を吹きつけた。他の椿の木もざっと見回ってチェックしたが、こんなに大きな毛虫の塊は見当たらなかった。庭木を毎日眺めてはいるが、見ているようで見ていないのかもしれない。
 見ているようで見ていない木はまだあった。お隣との境目に植えたベニカナメの一郭が元気がないように見え、気になっていた。午前中、様子を見に行くと藪枯らしのつるが何本もベニカナメにまとわりついていた。木の上のほう、日当たりのいい所を覆うように伸びている。まず上のつるを木からはがすようにした後、藪枯らしの根元を抜いたが黄色っぽい太い根が2mあまり伸びていてぞっとした。この根から目を何本もだし,木を覆って枯らしてしまうのだろう。
 手を抜くと目に余る状態になるのが庭というもの。そろそろ庭仕事に復帰して、庭の草木の面倒を見ることにしようか。


こぼれ種から芽を出し、大きくなったインパチェンスを描いてみた
柴犬レオがいた頃植えたインパチェンスがこぼれ種で命をつないでいる