不安定な天気の日、山種美術館へ

 朝はおだやかな晴天。燃えるゴミの日なので、庭の通路にごろごろ落ちている小さな青梅を掃いて集めたり、一昨日切った乙女椿の枝を束ねたものや、昨日切った紅梅の枝を束ねたものをゴミとして出した。庭掃除のついでに、草むしりもしたので疲れが出て午前中は休み、午後から山種美術館にでかけた。
 TVの日曜美術館で紹介していた日本画家、奥村土牛の絵を何点か展示している「富士と桜と春の花」展を観るためだ。JR恵比寿駅から歩いて10分ほど。渋谷橋の歩道橋を渡り、坂道を上る。目立たない門構えの美術館で、道路の反対側を歩いていたわたしは通り過ぎてから、道を歩いていた女性に聞いて、あ、これかという感じで戻り、たどり着いた。
 平日にしては人が多いが、自分のペースでゆっくりと鑑賞することができた。横山大観の正統派の富士山には心身が引き締まる感じがするが、片山球子の富士山はこれが日本画?と思うほど斬新である。奥村土牛の「富士宮富士」は富士宮市から見た富士山を描いているが、わたしたちが抱いている富士山のイメージとは少し異なる山容をあえて選んで描いたとのことで、その試みを面白く感じた。もちろん絵そのものもすばらしい。
 TVで紹介していた「吉野」と「醍醐」はどちらも桜の絵だが、かなり趣が異なる。「吉野」は桜を描いているが、吉野という風土も描いている。「醍醐」はしだれ桜そのものに迫っているように思えた。奥村土牛の「チューリップ」は、なんか身近に感じられた。この花は線で描くより面で描く花かなと思った。花もそうだが、チューリップの葉の描き方が素敵だ。川合玉堂の「春風春水」は、絵画から春のはじめの緑が萌え出す頃の風が吹いてくるが感じられた。
 美術館を出ると、空模様は午前中とは一変していた。黒い雲が空を覆っている。風も強くなった。だが家に帰るまで強い風が吹き、お天気雨がぱらつくくらいで、傘をさすことなく家に帰り着いた。
 
行きに、気にしている老柴犬を飼っている家の前を通ったが、泣き声も聞こえず、姿も見えない。ただ、使い古した大判のバスタオルをフェンスにかけて干してあり、まだ健在だなと思った。



昨日は月に2回のいけ花教室だった
花材はピンク色のスカシ百合、黄そけい、丹頂アリウム
丹頂アリウムは、茎がうねっていておもしろい
これは先生に活けていただいたもの