今日は誕生日

 日中は気温が上がり、春のような陽気になった。気持ちも体も軽くなったようで、大雪が続いた後のご褒美のような日差しとあたたかさを楽しんだ。
 今日はわたしの誕生日だが、かなり久しぶりに父母のお墓参りに行った。父の命日が2月2日なので、その日は墓参に行ったと思うが、風邪を引いたり大雪が続き、足が遠のいていた。
 スイートピーとチューリップ、大雪で折れた庭の梅の枝などを持って行った。枯れた花を片付け、新しい花を手向けると父母が喜んでいるように思えた。母は高齢出産で帝王切開でわたしを産んだ。苦労して産み、苦労して育てた娘に満足しただろうか。いや、きっと満足していないだろう。最後はあきらめがあったのではないか。
 お墓を前にして考えることは明るくないが、春の陽気に助けられた。うららかな光が気持ちをおだやかにし、とにかく生きて春を迎えられそうなのがとても幸せなことに思えた。春になったからといってすべてが良くなるわけではないが、まあいいか。花の季節に生きているだけで。
 午後から携帯電話とマイクロSDカードを持って、自由が丘のショップにでかけた。カードを携帯のどこにセットするか、教えてもらえば何てことない。ただ、保存した写真の量が多いのか、8ギガでは全部の画像をコピーできなかった。いったんパソコンに取り込み、カードの情報を削除して残りの画像をコピーすることにした。
 家に帰り、パソコンにマイクロSDカードをセットし携帯の画像を取り込んだが、いらない画像を削除したり、画像の転回させたりなどの編集が必要で、マウスで操作しているうちに腱鞘炎になりそうなほど手が疲れた。
 時間をかけてパソコンに取り込み、さらにDVDにコピーし保存することにした。携帯に保存した画像には柴犬レオがたくさん写っているし、レオがいた日々の生活が写し取られている。だから、いつでも見られるように、記録がなくならないように保存したい。
レオのいない、家族のいない、はじめての誕生日だが、春の陽射しに助けられ、心おだやかに過ごせた。


雪の下に埋もれていたクロッカスの芽も
あたたかい光をあびて、うれしそう


もうすぐ花が咲きそうな沈丁花と、雪柳〈ピンク色の花が咲く)