久しぶりにお不動様へ

 
 お正月2日目もおだやかな天気でどこかに出かけたくなった。
 行きたい所があるのだが、毎年2日か3日に弟が家に来るので、確認ために電話をすると今日の午後こちらに来ると言う。あんまりのんびりと外出ができないので、近場に行くことにし、等々力不動まで歩いた。初詣という意識はなく、若く元気な頃の柴犬レオとよく訪れた散歩コースを久しぶりに歩こうという気持ち。
 お不動様の境内は新年のすがすがしさと華やぎがあり、吸い込まれるように参道を歩き、お参りをした。おみくじは末吉。昨年より運勢がトーンダウンしたかな。
 お不動様を後にし、駅前のカフェで今年の初コ―ヒ―を飲み(家では紅茶)、電車に乗り最寄駅のひとつに降りて歩いて帰ってきた。
 家の前に獅子舞がいて(町内会の方がやっている)、いつもは家の前に来ることがないのにと思いつつ、おひねりをあげたいと財布を見るがあいにく小額紙幣がなく、家に急ぐ。ポチ袋に一枚入れて、獅子舞を追いかけた。紙袋を持って、ご祝儀の袋や品物をまとめて持ち歩いている町内会の方と途中まで歩き、そのあと走って追いついた。獅子はひと仕事終え、普通の人に戻っていたが面をかぶり、ぽち袋を口で受け取り、わたしの頭をこつんとかんでくれた。獅子舞に頭をかんでもらうと病気知らずになるそうだ。
 弟は午後も遅くなって家に来たので、炬燵に入り、しばらく話した。お正月三が日を過ごした後、体調を急に崩し、救急車で入院し、一週間後に他界した母のこと、母の弟たち(叔父)のこと。弟は、母が6年前のお正月には元気だったのに(お雑煮を食べていたとよく弟は言う)、4日におかしくなり6日になり入院し亡くなったことが、なかなか受け入れ難く、命日が近くなると何度も何度も話す。わたしの思いも同様だ。元気な母の姿が今もまぶたの裏に残っている。
 弟が自分の孫たちと遊ぶために2階に行ったあと、わたしもお年玉を持って2階へ。昨年は柴犬レオを抱いて2階に行ったことを思い出し、しんみりとしたので、お年玉をひとりひとりに渡した後、すぐ戻ってきた。


初詣に訪れた人たちでにぎわうお不動様の境内
紅白の幟が新春らしい彩り