雨の前に花壇の植え付け

 午前中は日差しがでたが、お昼前から曇り、夕方は雲に厚くおおわれている。空気が重たく水分をふくみ、梅雨が近づいていることを感じさせる。
 雨になる前に花壇に、用意した花苗を植え付けることにした。お昼過ぎ、老犬レオもいっしょに庭に出て、通路でお昼寝。わたしはレオを時折見ながら、植え付けをした。
 お昼ごはんを食べた後だが、なぜか甘いものが食べたくなり、古い火鉢を逆さにしてその上に丸いお盆を載せて、お菓子と飲み物を置き、ときおりつまみながらの作業だ。昨年末にゴミ袋に集めて水を含ませ発酵させた落ち葉が、腐葉土として使える状態になったので、花壇の土に肥料とともに梳き込んだ。どこに何を植えるかしばらく考え、決まってからはさっさと植え付けた。植えたのはピンク色のジニア・プロフュージョン1苗、ニチニチソウ2苗、イングリッシュラベンダー1苗、ヘリオトロープ1苗、名前を忘れた斑入り葉の花が地味な宿根草1苗。
 春にヒヤシンスやパンジーを植えていた大きなコンテナには、マリーゴールドナスタチウム、昨年買ってポットのまま放置していたレモンバーベナを植えた。
 レオはその間、寝る場所は移動したが、通路のコンクリートの上で気持ちよさそうに眠っていた。こうしてレオがそばにいて庭仕事するのはとても幸せな気持ちがした。

 ほっとすることがあった。レオに蚊が媒介する病気を防ぐため5月末からフィラリアの薬を飲ませかった。その前に血液検査が必要で、いつになったらレオを動物病院に連れて行けるか、悩みのタネだった。夕方、動物病院に電話をして先生と話し、フィラリアの薬は飲ませた方がいいといわれ、できれば血液検査はしたほうがいいといわれた。病院に来れないなら往診という手もあるが、この1週間は時間がなくて行けないと。ただ、レオに昨年処方した薬は作用が弱い薬なので、血液検査をしなくても飲んでも大丈夫といわれた。
 肩の荷がひとつ下りた感じがして、電話を切った後、うれしくなると同時に涙が出てきた。
 レオも寝ていたいのに無理に病院に行かなくてすんで、よかったし、そういうレオを病院に連れて行く労苦から解放され、わたしもよかった。

思えば亡き父も病院に行くのがすごく負担だった。わたしにも負担だった。死ぬ思いで病院に診察を受けに行っていたのではないか。なぜ、高齢の父をもっと
労わって、その負担を思いはかって、主治医(在宅医療の医師)に、検査のための通院はやめたいとはっきり言わなかったのだろうか。
 父は大病院に腎臓のための血液検査を受けにいったその夜、高熱を出して数日後に救急車で入院した。最後の検査を受けに行った日、わたしは体調を崩し、ヘルパーさんに付き添いを頼んだが、検査をした医師は、その結果を家族でないからと知らせなかった。なんのために病院に行ったのか、わからず、しかもそのことが引き金になって(通院という病み老いた体への過重な負担)、死を早めたのではないか。
 このことが頭から離れない。父のことを考えると、医師や病院への不信感が強烈に湧きあがってくる。考えないようにしていたが、レオのことで思い出してしまった。
 でもレオについては、わたしがはっきりとレオを連れていくのは無理があるという状況と気持ちを伝えたため、いい結果になったように思える。父の時も主治医に何回か通院をやめることはできないか話したが、向こうの意向に押し切られてしまった。もっとはっきりとこちらの気持ちを伝えるべきだった。

通路で眠るレオ
花壇は前方にある
レオの背中を見ながらの作業

コンクリートがほどよい冷たさで気持ちいいのかな


植え付け後の花壇
まだまだ空いている所が多い
手前のピンク色の花がジニア
後ろにラベンダー、その奥に青い穂のべロニカ
左手にニチニチソウ
ビオラは種をとってから引き抜いて、他の草花を植えるつもり