黄バラの絵を描く

 初夏の陽気になった。庭にはクレマチスやバラが咲き始めた。庭に出て花を描こうと思ったが、老犬レオが日中眠っていてなかなか起きず、食事もしないので、できるだけ側にいたかった。
 昨年の写真を見て描いた。5月半ば頃撮ったイングリッシュ・ローズ’シャルロット’の写真だ。やわらかな黄色のバラ。オレンジ系の色が混じっている。このイングリッシュ・ローズは8年くらい前の12月に植え、だんだん大株になり、毎年たくさんの花を咲かせてくれた。カップ咲きの丸みを帯びた花が咲き終わると、花びらがほどけるように散り落ちる。現代バラにはない終わり方だ。
 昨年は5月と10月に咲いたが、冬を越せずに枯れてしまった。猛暑の季節、水やりを怠ったためと思われる。植えた場所が雨がかかりにくところでしかもゆるい傾斜があり、乾きやすいところ。もっと水をたっぷりやらなければいけなかった。
 今年は咲けなかった’シャルロット’を絵に描いて、その美しさを心に留めておければ思った。天の邪鬼なところがあるわたしは、このバラが元気で咲いているとき、そのあわい黄色があまり好きになれず、もっとはっきりした色のバラを植えればよかったと思ったことがあった。だがなくなってしまうと、きれいなバラだった。もっと大切にすればよかったと後悔するのだ。
 老犬レオがいつ起きるかわからないので、水を使わず、場所もとらない油性色鉛筆で描いた。

老犬レオは昨夜、だぶん午前1時ころ起きた。わたしはおしっこをする心配があるので、抱いてレオの部屋に連れて行き、少し様子を見ることにした。しばらく起きているだけで落ち着いて眠ることが最近、よくあるからだ。
 ところが自分の部屋に戻ったわたしは眠ってしまい、次に起きたのが3時過ぎ。レオの泣き声で目が覚めた。あわててレオの部屋に行くと、ソファとガラス戸の間の隙間に入りこみ、泣いていた。出られなくなったのだ。いつからここにいるのだろう。レオを隙間から出し、抱いて自室に行き、布団の上に寝かせた。すぐ眠った。
 朝は9時ころ起きたが、おしっこをしただけでまた眠ってしまった。眠っている間、車で図書館に本を返しに行き、お寺に寄りお墓参りをして帰ると、レオは起きていて、うんちとおしっこをしていた。
 すっきりしたところで朝ごはんを食べるかなと思ったが、また眠ってしまった。そんなわけで眠っているレオを時々眺めながら絵を描いた。
 今日のレオはあまり食べようとしなかった。食欲がないのか、出したものが嫌いなのか。しかたがないので、何回にもわけてドッグフードを口に中に入れてやった(ぜかドッグフードはなんとか食べた)。夕食はボンレスハム一枚、ゆでた青菜を細かく刻みマヨネーズであえたもの、クロワッサンを少し食べた。量的にはいつもの夕食の6割くらいの量だ。あとでまたドッグフードを食べてくれるといいのだが。