梅の香りに呼び止められた

 夕方、不思議なことがあった。
 夕食を作る食材の足りないものを買いに、商店街のほうに急ぎ足で歩いていたときのことだ。ふいに強い梅の香りが鼻をくすぐった。
思わず振り向いた。お隣の家の白梅が満開だ。通り過ぎる時、ちらっと眺め、きれいなだと思っていた。梅の花に「もう少しゆっくり眺めていきませんか」と言われた感じがした。
 買いものを手早くすませ、帰り途、こんどは梅の花が薫るかなと思い、鼻をくんくんさせた。だが、すぐ前に梅の木の前の道で立ち話をしていた女性がオ―デコロンでもつけていたのだろうか。違う強い香りがした。梅の自然な香りは消されてしまった。

 昨夜は疲れたので早く床についたが、マイペースの老犬レオは眠ろうとせず、こちらも眠りについたのは11時半ころ。その後、2時過ぎに起き、玄関の土間におしっこ、廊下にうんち。その後も狭い所に顔を入れ、手でかりかり引っ掻き、興奮がおさまらないので水で薄めた牛乳とドッグフードをあげたら、4時前に落ち着いてくれた。
 ふつう、早朝眠りにつくと4時間くらいは寝るのだが、また6時ころレオが起きたときはさすがにうんざりした。こんどはただ起きただけで、しばらく歩いていたが落ち着き、眠った。わたしは8時まで眠ったが、超細切れ睡眠に疲れがたまったようで、久しぶりに午後、レオを別の部屋に寝かせたまま、ひとりでぐっすり1時間ほど昼寝した。
 目覚めるとレオの泣き声が聞こえ、現実に戻った。
 今日のレオは昨夜、何回も起きたためか、調子が良くなかった。一度も外に出ていない(これはわたしが外に出る気がなかったこともある)。食事は肉だけは全部食べたが野菜は残した。日中はほとんど眠っている。レオも昨夜、興奮して歩き回ったので疲れたようだ。
 今夜は落ち着いて眠ってほしい。起きるにしても一回くらいにしてほしい。そうでないとレオもわたしもくたくたになってしまう。


これはわが家の梅の花
呼びとめた隣家の梅ではない


ワスレナグサも花茎を伸ばし咲き始めた


近くの用水路沿いの50年ほど前の写真をコピーしたものを見て
描いてみた
川沿いにはガードレールがあり、
橋は30センチほどの高さしかない。
多分、左の川沿いの道は舗装していない。
この絵の中で赤い屋根の家(一階建てと2階建ての2軒)は
現在も同じままである。
背景の神社の松の木も変わらない。
右側の道路沿いには現在は家が建ち並ぶが
当時は空き地(野原)だった。

現在の同じ場所の写真