友を偲ぶ

 7年前の今日、まだ50歳代半ばの女友だちが他界し、夜、共通の友人から一報を受け取った。
 彼女は年老いたお母様と老猫とともに暮らしていたので、どちらも看取るまでは自分は死ねない、生き抜くという強い決意で闘病生活を送っていた。
 この決意を語った友のメールを受け取ってから、亡くなるまで半年もたたなかった。
 人見知りの猫をいつも心配していた、友がいないと生きていけないと。いつか、お互いの愛猫、愛犬の話になったとき、猫を一匹で残すくらいなら、いっそのこと食べてしまうと友が言って、驚いたことがある。
 わたしにはそれほどの思いはないが、友らしいとも思った。愛情が濃い人だったから。
 今、老犬レオの介護をしているわたしに、友だったら、こんなことを言うかもしれない。
 「愛して愛して愛し抜いて、あの世に見送るのなら本望だと思うわ」と。
  7年前と現在ではわたしが置かれた状況も激変した。友を偲ぶとともに、昔をなつかしむ気持ちも強いのである。


友が詠んだ俳句
「猫が鳴く背中合わせの朝寝かな」
わたしも一句
「老犬と枕並べる秋の夜」

朝寝は春の季語だろうか。


庭に咲く花を切って、花瓶に飾り、友を偲んだ。
フロリバンダ・ローズ2種と、ダリア。