老犬を見守る今夜はおぼろ月

 秋が押し寄せてくるよう涼しい朝。柴犬のレオはわりあいと早く、起きた。朝9時ころから12時近くまで、外に出たり、家に戻ったりした。昨日に比べれば、外に出たがるだけ元気になったといえるかもしれない。ずっとレオの側につきっきりというわけにもいかず、目を離したすきに自分で道路に出たりもした。
 朝の散歩風景を俳句や短歌にしてみた。

「老犬はカメムシ歩くランタナにからだ預けてしばしの休み」
「ザクロの実気が付いたら赤くなり」
「秋風にかんばせ揺らすフヨウかな」
「老犬は飽きることなく同じ道行きつ戻りつ休みつつ回りつつ」
「目を盗み道路に出でし老犬レオは好きな場所で用を足しにけり」

 お昼前には疲れたのか抱いて家に入ったら、おとなしくしていた。その間、ベニカナメの剪定の最後の2本を終えた。高さを揃えるため、30数本の木にひもを渡し、剪定したがこれはかなり効果的だった。木の高さをそろえて切ることができた。ひもを取り除くとき、解放感とやったーという達成感にひたることができた。

変な格好で休むレオ


春先に挿し木した沈丁花を鉢上げした
小さな鉢がなかったので、大きめの鉢になってしまった

 夕方から夜にかけて2回、レオといっしょに散歩に出た。日が沈み、雲が暮色に染まるとき、空に上弦の月が出ていた。夕方は雲に隠れることが多かった。虫の声が静かに響く夕暮れだった。あまり歩かないレオを抱いて、用水路にかかる橋まで行き、らんかんに腰掛けて、涼しい風を楽しんだ。
 家でに帰り、ゆでた生タラと野菜の夕ごはんを食べた後、すぐ外に行きたがったレオとまた道路へ。お月さまは雲から顔を出しているが、おぼろ月の風情。しばらくたつと上弦の月は光を強め、周囲に虹を放つかのように輝き始めた。レオは用を足した後、少し歩き、道路に横たわってしまったので抱いて家に帰る。
 今夜のレオはなんだか落ち着かない。妙な声で泣きながら、部屋から部屋へ歩き回る。こういう様子のレオを何回も見ている。興奮モードのスイッチが入ったのだろうか。

 「老犬と夜の散歩は虫の声寂しく響くこと多し」
 「一日が終わり空にはおぼろ月」
 「老犬を見守る今夜はおぼろ月」