鰹節削り器

 
 処分しようと思い、紐でくくって置いていた本が30〜40冊ほどあった。捨てようと思ったのが4年前で、ずっと捨てられず、置いてあったので、いっそのこと本棚に並べてしまおうと思うようになった。
 そのための本棚を買うのは無駄な気がしたのでなかなか踏み切れなかったが、ある日、物置をのぞいたらほどよい大きさの古いラワン材の本棚があった。これだ!と思い、汚れた本棚を雑巾を何度も変えて水拭きし、きれいにした。傷が目立つのでペンキを塗ることにし、オールドビレッジのバターミルクペイントという、アーリーアメリカン時代に使った塗料の品質と色調を忠実に再現したペンキをネットで見つけ、即注文した。ドレッシングテーブル・ブルーというグレーがかった空色だ。
 ペンキが届くのを待っている間に、こんどは台所もきれいにしたくなった。作りつけの食器棚と戸棚があり、これらにも塗料を塗りたくなったのだ。次に外側だけをきれいにするのでなく、中に収納しているものも整理したくなり、今日は、外側と内側をきれいにする作業に着手。
 戸棚の左側は中身を取り出しにくい位置にあり、やっとのことで出してみると、いろいろおもしろいものが出てきた。鰹節削り機。かんなのような削る所があり、下に削ったものが落ちて、引き出しで取りだせるようになっている。
 引き出しの中を確かめてみると、半分くらい削った鰹節が入っていた。カビも生えてなく、固いまま。多分、40年以上前のものだが、40年もたっているとは思えない状態だった。
 こどもの頃、母親に鰹節を削るように頼まれ、よく削ったのを思い出した。削るときの香りもよみがえってきた。
 父の給料袋も出てきた。昭和40年で手取りが5万円弱。だが3年後には8〜9万円になっていて、給料の上がり方が今より早い気がした。東京オリンピックを終え、高度成長時代の初期にあたる頃。所得倍増というスローガンがあった時代だろうか。
 一般庶民の収入が底上げされ、給料も上がるが物価も上がる時代。今とは真逆かもしれない。
自転車を月賦(ローン)で買ったと思われる販売契約書や領収書も出てきた。昭和40年で、BSスカイウェイという自転車が22、450円。給料と比較して価格が高い気がする。いまの電動自転車より高いのではないだろうか。
 この4〜5年後に、弟が(父親の負担で)車を買っているはずだが、それはどのくらいの価格だったのだろう。今になって、親のふところ具合を心配しても仕方がないが、こうして形に残っていると気になってしまう。


お墓参りの花を買うために行った花屋さん。
秋色の草花がいろいろ
トウガラシやコスモスを花壇に植えたいが場所がないので、
植え場所を作ってからにした



 昨夜の老犬レオはすごい元気で、いつもの数倍も歩いたが、なんかおかしいと思った。案の定、その夜は興奮して部屋を歩き回る度合いが強く、夜中の1時ころ再度散歩に出た。妙なステップを踏むような足取りでけっこう調子よく歩くがいよいよおかしい。家に帰ってきても興奮は続き、6畳と8畳の続きの間と、廊下を歩き回り、変な声でときどき泣く。
 こちらは覚悟を決めて、とことんつきあおうと思ったがレオも2時過ぎには疲れ、眠ってしまったようだ(静かになったのでそう判断)。 わたしも眠り、早朝起きて、どこで寝ているのか確かめると玄関のたたきで寝転がっていた。
 そのまま8時くらいまで玄関に寝かせ、その後抱いて部屋に入れ、寝かせたが起きたのは10時半ごろ。
 食欲はまあまあだが、昨日に比べて歩かなくなった。たぶん、昨日の興奮状態で疲れたのだろう。水もいつもより飲まないし、おしっこもなかなかしないのが気になるが様子を見ることにした。
今夜もやたら外に行きたがるが外に出しでもおしっこをしない。夕方6時から夜9時の間に3回、外に出したがあまり歩かないので家に戻るとまた外に出たがる。出さないと泣くし、困ったなあ。