寝食足りて・・・・・

 「衣食足りて礼節を知る」という格言があるが、老犬レオとわたしの関係は「寝食足りて・・・・」といった感じか。
 一日の終わり、やっと眠れるという時間にレオが興奮して、部屋を歩き回り、眠れなかったり、寝ても一時間くらいで起こされたり。ゆっくり腰を下ろして食事ができなかったり、が続くとわたしはレオにあたってしまう。
 寝食があるていど満たされると、とても優しくなれるのだが。こういうことにレオへの態度が左右されるのは、人間的な修行がまだ出来ていない、未熟ということもある。だが言い訳ではないが、やはり生活の基本的なことが著しく不満足だと、そんなに優しくなれるものではないのではないか、とも思う。
 昨日は老犬レオが夜中から早朝にかけて起きていたため、細切れ睡眠が4時間くらいで、わたしはすこぶる機嫌が悪く、11時ころ起きて、日差しが強いのに道路を歩きたがるレオにあたりまくった。その後、レオは夕方の6時半ごろまで寝ていた(一回起きて、ちょっとだけ庭に出したが)。
 レオが寝ている間、何を考えたか、わたしは廊下と台所の床を雑巾で熱心に水拭き。何回も何回も繰り返し、きれいにして、乾いてからワックスがけをした。なにもこんな暑い日、睡眠不足のときにやらなくてもいいのに、と思ったがやりたくなった。
 途中、心臓がばくばくし、何回も水分補給をして、レオが夕方起きた後に、台所のワックスがけが終了した。
 昨日はこんな一日だったので、夜は何が何でも眠りたいという状態だったが、レオは例によって、寝ている部屋を歩き回り、ネット接続の機器を置いてある部屋の隅に何回か入り込んでしまったので、レオを抱き上げ、部屋の外に出した。最近、昼間も夜も玄関のたたきのタイルで眠るのが気に入ったみたいなので、そっちに寝てもらおうと思った。レオはしばらくごそごそしていたがやがて眠ったようだ。わたしも眠りについた。
 今朝は5時ころ、レオが動く音で目が覚めた。ドアを開けるとタイルの上で起き上がっていたので、おはようと言って、レオを外に出した。廊下の隅に置いた水入れが引っくり返っていたので、水が飲みたかったのかと思い、氷を入れた水をあげると、びっくりするほどたくさん飲んだ。
 しばらく裏庭にいたが、家の建物の周りを回ることが気に入ったみたいで、2回ほど細い通路をゆっくりと回って、ときどき植え込みに身体をもたれて休んでいた。
 わたしはその間、燃えるごみの日だったので、大量のごみを何回も往復して出した。庭に面した部屋の大掃除ではがしたカーペット4枚や、剪定した庭木などだ。
 この作業と植木鉢の水やりが終わるころ、レオもお疲れさんになっていて、抱き上げ家に入れた。レオの朝ごはんを作ろうと台所に立ったわたしの足もとにまとわりつくのでお腹がすいているんだなと思ったが、案の定、作ったもの(鶏胸肉のチーズ載せグリルと茹でた野菜)をほとんど食べた。
 今日はわたしもまあまあ眠れたためか、食後のレオを膝にのせ、なでなでしたりする余裕もあり、レオは満面の笑みでこれに応えてくれた。
 やはり、「寝食足りて・・・・」はレオにもわたしにも大切なことのようだ。


ミソハギモンキチョウが止まった
モンキチョウは亡き母が姿を変えてやってきたと思っている
昨年、落ち込んでいるとき、朝の花壇でこの黄色いチョウチョウを見て、
元気をもらってから、そう思うようになった


切り戻したエキナセアがまた花を咲かせた