初朝顔

 昨夜の老犬レオも2時ころまで起きていて、部屋をうろうろしていた。足元がおぼつかないので気になって仕方がない。かと思うとわたしの体を乗り越えたりするし。
 体を踏み越えようとするレオとケンカになり、あっち行けと押しのけた。
 こんなことがあったがなんとか7時半ごろ起きた。昨日、つぼみがふくらんでいた朝顔が気になり、見に行くと咲いていた!つぼみの色より濃い青紫色の大輪だ。咲き始めの初々しさにうっとり。何枚も写真に撮った。
 たまたま手元にあった「趣○の園芸」6月号に朝顔の特集があった。これを読んで、なんでもっと早く読まなかったのか、と思った。朝顔緑のカーテンを作るなら、大輪咲きより中輪咲きのほうがツルが伸びるそうだ。わたしが大輪咲きのタネをまいたので、ツルが思ったより伸びないのはそのせいなのか。
 花を長くたくさん咲かせる秘訣は「水やり」と「肥料」!だそうだ。これは知らずして実践していた。「水をたくさんやればつるの伸びが旺盛になり、葉も大きくなりますが蕾がつくまでは乾かし気味の水やりがコツです」とあるが、かなり乾かし気味にしていたのでツルも伸びず葉っぱが小さかったのだ。しかも、つぼみはよく見るとたくさんついている。水をあまりやらなかったのが功を奏した。
 ただ、鉢に行燈仕立てにした朝顔は水をたっぷり与え過ぎたせいか、つるが伸び、葉っぱも大きく繁っている。つぼみの数も少ないようだ。4苗植えたコンテナはあまり水をやらなかったが、この違いは庭の水道から遠い近いの差だ。遠いコンテナは自然と水をやらなくなる。
 「蕾がついたら午前中にたっぷり(水を)あたえます」とある。今のわが家の朝顔(コンテナ植え)はこの状態だから、水は朝やればいいのだな。肥料は1週間に一回、液体肥料を水で薄めたものをやればいいとのこと。
 今回はグリーンカーテンを作る気はなかった。ただ苗の成長や花を眺める楽しさだけのために朝顔を育てた。朝顔は思い出の花でもあるから。

今朝咲いた朝顔


レオの鼻の上が禿げてきた(ピンク色になっている)のに今朝気づいた
ストレスがあるのだろうか
犬の気持ちがはっきりいってわからないことがよくある


 老犬レオは11時ころ起きて、午後はエアコンの効いた部屋で落ち着いて寝ていたので、テレビを久々にじっくり見た。NHKスペシャルの「高橋尚子 私の42、195キロ」と「東京大空襲」だ。
 高橋尚子シドニーオリンピックの走りを本人のインタビューをはさみつつ、構成している。途中、給水ポイントで水をとれなかった高橋選手に、日本人ランナ―(山口選手?)が自分が飲んだ残りの水を渡したことは初めて知った。勝負の世界でときには助け合うこともあるのだということに驚いた。
 トップを走り、競技場に入ってきた高橋選手が観客たちの声援に酔いしれているとき、後ろから2番手のシモン選手が迫ってくるところはぞっとした。これぞ勝負の世界と思った。勝負は最後まで気を抜いてはいけない。テープを切るまでがマラソンなのだ。
 トラックがあと1周あったらシモン選手が追い抜いて彼女が金メダリストになっていただろう。シモン選手の悔しそうな顔が印象的だ。

 「東京大空襲」はある民家で偶然見つかった、米軍による東京の爆撃の被害を撮影した写真をもとに取材・構成している。その写真は、戦争のプロパガンダのために発行した「フロント」という雑誌に掲載する写真を撮る、東方社のカメラマン集団によって撮られた。このカメラマンを統括するのは、昭和を代表するカメラマン木村伊兵衛。木村は「現場で起きていることを後世に伝え残す」ことを目的に、写真の撮影を命じた。情報統制下にあり、この写真がフロントの紙上に掲載されることはなかったのに、だ。
 東京・品川の荏原地区からはじまる東京への空襲は、原宿、荻窪駅日本医科大学病院など民家だけでなく、人が大勢集まる交通機関や病院までに及ぶ。有楽町駅や銀座の中心地も爆撃される。現在、日本でいちばん地価が高いとされる和光の界隈も破壊された。モノクロの写真に、書店の「教文館」の看板を見た時は驚いた。いまも教文館は同じ場所にある。
 米軍の攻撃は最終的に3月10日の東京下町のカーペット・ボンバリング(市街地すべてを焼き尽くす攻撃)にまでエスカレートする。米軍は密集する日本家屋をいかに効率的に破壊、焼失させられるか、実物大の日本家屋密集地を作り、なんども爆撃実験を繰り返すのだ。
 東京の空襲の最初の地である荏原地区で、爆弾の直撃を受けて死んだ妹を偲ぶ兄の話は涙なくして聞けない。学校にいた妹は空襲警報が出たので、給食のコッぺパンをなにかに包んで家に持ち帰った。そのパンをにぎりしめたまま死んだそうだ。兄はいまでも命日にはコッぺパンを買ってきて、妹の霊前にお供えするのだ。なんのために生まれてきたのか、わからないという兄の嘆きは心の奥底にずしっとくる。
 今、米軍はオスプレイとかいう新型輸送機を日本国内に持ち込もうとしているが、この輸送機でもし民間人が死傷するようなことがあったらどうするのでしょうか。


 ロンドンオリンピックの女子マラソンをライブで観た。といってもレオの散歩を間に2回もはさんだので、4分の1くらいしか見ていない。
 やはり、ケニアの選手は強かった。日本人選手は力不足かな。お疲れさまでした。