ソメイヨシノの下で

 今日はもりだくさんにいろいろなことがあった。朝はいつもの老犬レオの散歩の後、朝ごはんを食べさせた。いつもなら庭に出てレオといっしょに過ごしたりが日課だが今日は近くの用水路で金魚釣り大会があるので、レオといっしょにでかけた。昨年は東北大震災が起こり、自粛したので2年ぶりだ。商店街が主催で20年続いている恒例の行事で、レオとは毎年いっしょに行っていたし、母がいたころは母もいっしょだった。一度か二度、わたしも金魚釣りに参加し、けっこう釣り上げて、近所のこどもにあげたのを覚えている。焼きソバや焼き鳥、ビールなどの飲み物の店もでる。レオは、あまり歩けないので今年は半分くらいは抱っこして見て回った。レオにとっては迷惑だったかも。家でのんびり過ごしたかったかもしれない。
 少しの間だけ、釣りの様子を見てから、焼き鳥やビールを買って、金魚釣りの会場から50mほど離れたサクラ並木のある方に移動し、そこでサクラの木の下で飲んだり食べたりした。今日は天気もよく、ソメイヨシノが神がかり的にきれいだった。まるでサクラの木の上に天使とか観音様が降りてきて、金粉を静かにまいているような、そんな美しいサクラだった。用水路沿いに座ると、サクラが大きなパラソルのように半日陰に包んでくれる。写真撮影に余念のないカップルや、犬連れの家族、金魚釣り大会からの帰りの家族など、サクラの木の下で時間を過ごしていた。
 家に帰ってから、レオといっしょに昼寝をして、早めの夕方、わたしだけ起きて、この近くのサクラの名所といわれている多摩川大公園まで歩いた。犬友だちとメールをやりとりして公園で久しぶりに会うことに。レオがほとんど歩かないのでずっと会う機会がなかったが、1年前くらいは週に数回は会っていた。犬友だちの相棒は13歳のゴールデンレトリバーだが、まだまだ元気で歩ける。花見客でいっぱいの広場から離れたところでゆっくり話をしてから、住宅街を歩いた。すると偶然、知り合いの犬が散歩の途中で寄り道している家があり、そこはレオの幼なじみの犬の家だとわかった。彼女(レオの女友だち)は16歳になるがまだ元気とのことだった。彼女はハナちゃんという名前で、家から出てきて元気な様子を見せてくれた。ああ、レオがいたら喜んだろうな。レオにはたくさんの友だちがいたが、たまたま家の近くに散歩に来た子としか会えない。レオも寂しいのだろうか。ハナちゃんは久しぶりに会ったゴールデンレトリーバーに鼻を寄せ、なつかしそうにくんくん匂いをかいでいた。
 家に帰ってから、レオを夕方の散歩と、数時間後に夜の散歩に連れて行った。夜の散歩のほうが歩いた。空の低いところに顔を出した満月がきれいで、夜桜もどきっとするほどきれいだった。


神がかり的にきれいなサクラの下のレオ


親子連れでおおにぎわいの金魚釣り大会


多摩川台公園のサクラ