昨日は真鍋美恵子の歌集『玻璃』の講座を聞いた

 梅雨が終わりそうな天気。今日あたり、関東地方は梅雨明けになりそうと、天気予報士がテレビで語っていた。

 信じられないほど蒸し暑い一日だ。

朝早い時間に庭に出てめだかにえさをやり、夕方になり近くの郵便局に行った以外はずっと家にいたが、夕方の蒸し暑さに打ちのめされた。これがしばらく続くのかと思った。

 

 昨日は午前中はMLBオールスターゲームを見て、とてもハイテンションに楽しめ。大谷翔平選手が所属するナショナルチームのユニフォームがとてもかっこよかった。濃いネービーにブルー、ポイントに赤を入れた配色、ヘルメットはブルーである。濃いネービーのパンツの脇にブルーの線が入っていて、長い脚がますます長く見える。

 かっこいいとため息まじりに画面を眺めながら、大谷選手のオールスターゲームでの初ホームランを楽しませてもらった。日本人選手による場外のはじめてのホームランでもある(オールスターゲームで)。今福選手の気合のこもった投球にも圧倒された。1イニングだが完璧な投球である。

 昨日の午前中は家にて興奮気味に過ごし、夕方からは外出した。

 6時から四ツ谷駅前にあるプラザエフというビル内で開かれる、歌人、真鍋美恵子さんの歌集『玻璃』の講座を聞きに行った。現代歌人協会が主宰する講座で、協会賞を受賞した歌集をとりあげている。

 少し早めに四ツ谷駅改札で知人と待ち合わせて早めの夕食とおしゃべりを楽しんだ。この前の新宿の短歌教室で会った時にさしあげた梅ジャムと梅干がおいしかったとほめてくれた。特に梅ジャムが気に入ったようだ。

 講座の開始30分前に受付が始まるので、さらにその5分前くらいに会場に行った。入り口近くに講座の講師の方と対談をする歌人、横山未来子さんのいちばん新しい歌集が置いてあり、販売しているので一冊買った。あとでサインをいただくことにした。

 会場は椅子だけが並べられた席で、前から二番目に知人とともに座った。この講座は6回シリーズで昨夜は第四回だったが、第一回目は椅子とテーブルの席だった。だが講座が盛況となり、テーブルを置く余裕がなくなり、次からは椅子だけになった。テーブルがあるほうが講座の内容の覚書を書くにはやりやすい。

 講座の講師は歌人の前田康子さんで、関西から来られた。京都は祇園祭の最中でこの講座のために行けなくなったがまだ次の何かに行くつもりと言っていた。

 真鍋美恵子さんの第四歌集『玻璃』は昭和32年に出版した。真鍋さんは明治に生まれ、大正、昭和、平成の時代を生きられた方である。

 前田さんは歌集が出版された時代の背景や、当時の歌壇での評価など、くわしく調べていてわかりやすく詳細に語ってくれた。戦後、前衛短歌が登場した時期とぴったり重なる時期にこの歌集も世に出た。

 前田さんの語り口はこの歌人を称賛するわけではなく、どちらかというと中立の立場から語っているがところどころにこの歌人に対する気持ちがのぞく感じだ。真鍋さんの短歌を称賛はしないが、おもしろく思う気持ちが伝わる。前田さんの短歌についてはほとんど知らないので何とも言えないが、真鍋さんの短歌とは違う方向のように思う。

 2時間の講座の後半は前田康子さんと横山未来子さんの対談形式ですすめられた。前田さんが話す方が多いが、真鍋美恵子さんと同じ結社「心の花」に属する横山未来子さんにしか語れないこともある。真鍋さんが唯一出版したエッセイ集『四日月』を持ってこられていた。このエッセイ集は絶版で古書としても探すのが困難、図書館などでしか読めないもののようだ。前田さんは何かのルートで読むことができて、とてもいいエッセイ集とほめていた。短歌だけではなく、エッセイや短歌論のような文章をもっと書いて残してくれればよかったのに、と語られた。

 昨夜の講座はライブで参加することの楽しさをたっぷりと味わうことができた。前田康子さんと横山未来子さんというおふたりの歌人が、真鍋恵美子さんという歌人を通して作ることができた、得難いコラボレーションである。

 大きな収穫がもう一つあって、真鍋美恵子さんの全歌集は国会図書館でデジタル化してあり、これは自分の家のパソコンやスマホからアクセスして自由に読めるそうだ。

 今日、試してみたら全歌集にアクセスできた。国会図書館に行かなくても読めるのはとてもわたしにとって大きな意味がある。今日は全歌集に収録されているいくつかの歌集をざっと見ただけだが、それでもいくつかの発見があって、うれしかった。