明治神宮歌会、当座は「点」

 昨日よりは陽射しが出て気温が上がった。
 月に一回の明治神宮歌会に出席するために家を10時半ごろ出た。
 JR原宿駅前の改札を出ると人が多く、気温が上がったため人いきれが鼻についた。人間の匂いが気になるのは初めての経験で、最近匂いに敏感になったような気がする。
 明治神宮の参道は外国人の観光客が多く、日本人のわたしが少数民族になったような錯覚に陥った。だが観光客が訪れるということは日本が平和だということなので、いつまでも続くことを願った。
 9月の月次歌会の講師は栗木京子先生。当座は「点」。
 会場の前に置いてある白板に「点」という当座を見た時、詠えるだろうかと一瞬たじろいだがなんとか詠えた。いい歌がたくさん詠まれたので先生は選歌に時間がかかった。わたしの歌はあまりよくないが先生に手直しでよくなった。

 日が暮れて街のあちこち点灯のスイッチを押す手が動けるかな (もとの歌)


 日が暮れて街のあちこちスイッチを点灯させる手が動くかな   (直された後)


結句の終わり方をいろいろ迷い、「点灯のスイッチを押す手が」というこなれていない表現を見直すことができなかった。先生の手直しで街のあちこちの家でスイッチを点灯させる、手の動きが視覚をともなって伝わるようになった。

 こんな歌も詠んだ(こちらは出さなかった歌)

 黒き目を点となして顔あげたり街川に棲む空腹の鯉