夕立が降る

 日中は陽射しが出て蒸し暑かった。午後になり墨色の雲がだんだん空をおおうようになり、あやしい天気模様に。気配を察し洗濯ものを取り入れて少したつと、地面をたたく雨音が聞こえた。
 夕方、晴れていれば久しぶりに長めの散歩に行きたかったが残念。
 夕方の水やりはまだしてなかったので自然の水やりが出来て良かったと思うことに。
 蒸し暑い一日、エアコンをつけた居間でほとんど過ごし(朝コンビニに買い物に行ったくらいか>、庭に出たのも目高のえさやりと朝の水やりくらい。
 短歌会に応募する歌を今日もあれこれ悩んだ。 
 いまのところ三首の候補がありどれにするか、またはさらに考えるか。できれば今日中に発送したいが。添える手紙は書いて封筒に入れ、あとは歌を記した原稿用紙を入れるだけとスタンバイしているのだが。
 雨が降り始めて洋室の窓から紫陽花の植込みやスモモの葉が濡れてしっとりしているのを眺めた。新しくなった隣の家が目に入り、とつぜん目頭が熱くなった。老犬ももこがいた頃は隣りは古い家のままで、その家はわたしが生まれる前からあった家だった。わたしの周りの変わってゆくものがももこや柴犬レオ、父母がいた時間を遠ざけてゆく。少し涙を流し、両手のこぶしをにぎりしめ、犬の名を呼んだ。


 あの日から喪に服すがに成長をとめていたるや庭の桜は

 てにひらにぬけがら残し鳴き急ぐつくつくぼうし晩夏の庭に

 忌日過ぎつくつくぼうしなく庭は影をひきつつふたたびの秋へ

 何も変わらぬやうに見へてすべてが変わりたる時間といふもの

 夏の宵氷片浮かぶグラスの水を暑がりやの母に供へたり