夏の気配

 五月がほぼ半分終わり、早くも夏の気配が感じられるようになった。早朝、老犬ももこの散歩のため、近く用水路沿いを歩いているとき、生暖かい空気を呼吸しながら時折吹く風が少しだけひんやりしているのが心地よかった。この風の感触をいつまでも覚えておこうと思った。
 ももこは今日の朝の散歩も比較的長めだった。昨日の朝と同じくらい足取りが軽かった。調子がいい時は、足の運びが早い。元気がない時は重たくゆっくりになる。
 この家に来てから一か月余りはお座りをする姿を見なかったももこだが、4月末ころからお座りをするようになった。ここんところ、お座りをする姿をよく観るようになった。また最近、朝起きたばかりのとき、前足を伸ばし後ろ足を曲げて背伸びをすることに気づいた。この姿勢は5月に入ってからするようになった。わが家の環境のなれてきたためか、足腰の調子が良くなってきたためか。
 午後は近くのホームセンターに車で行き、花苗を4鉢、ももこのおやつ、ブラッシング用のスリッカー、日用品などを買った。帰り、車のウィンドウから葉桜や名前のわからない木々の葉が風に激しく揺れるのが見え、何か話しているように思えた。
 わが家の庭の花や木々も季節の移ろいとともに変わっていく。こぼれ種から成長したニゲラの青い花がいつのまにか咲き始め、昨年種を蒔いて育てたカワラナデシコが咲き初めている。季節の歯車が静かに回っているのが見えるような、聞こえるような。


こぼれ種から咲いたニゲラの青い花
どこかミステリアス



アジサイ’紅(くれない)’
咲き始めは白い花だが、だんだん赤くなり、最後は深紅になる


カワラナデシコ
これもこぼれ種から成長した