ふらっとお墓参り

 年の瀬もせまり、朝は小雨が降り、寒い日。午前中、老犬レオが眠っている間に、車でホームセンターに買い物に行き、その帰り、お寺に寄った。
 総選挙が終わり、世の中は大きく揺れ動いた。あそこまで圧勝するとはだれも思わなかったのではないか。
 死者にはもう関係ないこと。これら世の動き、年末のあわただしさ。すべて関係なしの亡くなった父母たち、亡くなった人たちすべてが取り残されたみたいで、かわいそうになった。かわいそうということばは正確ではないかもしれない。忘れていないよ、と伝えたかった。
 お花は買わなかった、この前、母の誕生日にお供えした花がまだ元気で、水をきれいにし、萎れた花をいくつか取った。
 雨は降っていないが、地面が濡れている墓地は閑散としている。
 父も母も、いまのわたしと同じように、師走の準備であれもしなくては、これもしなくてはと忙しく立ち働いた時もあった。母の最期の師走は、もう高齢だったので何もしなかったが、トイレットペーパーと海苔をたくさん近所のお店から買ってきた。トイレットペーパーはお店の人が家に持ってきてくれた。年末の準備を少しでも手助けしようと思ったのかもしれない。
 海苔は母が食べたかったから買ったのだが、わたしはそのことに気づかなかった。母はわたしに海苔巻きを作る巻きすを買ってきてほしいと頼んだが、わたしは年末、体調を崩し、買い忘れた。食が細ってきた母は海苔巻きなら食べられそう、いや食べたいと思ったのだろう。なぜ、海苔をあんなにたくさん買ってきたのか、そのわけに気づいたのは母が亡くなった後だった。
 そんなことを思い出し、墓前で母にあやまった。

 老犬レオは昨夜も1時ころから2時間くらい起きていた。だがおしっこはしなかった。歩き回るのをやめて静かになったときを見計らい、レオを抱き上げて布団の中に寝かせた。
 思ったより、朝は早く起き(9時ころ)たが、場所を移動しただけでまた眠ってしまった。その間にホームセンターに行った。
 帰ってきてもまだ眠っていたが、しばらくして起きたので外に出すが塀にもたれかかるようにしてうずくまり歩かない。自分で門扉から駐車場に入った。わたしは落ち葉の掃除をしたり、お向かいの奥さんと立ち話なども。
 レオより3カ月くらい年上のわんこの飼い主さんが通りがかったので、元気ですか?とたずねたら、死んだと返ってきた。12月14日に16歳の誕生日を迎える少し前のことらしい。娘さんがわんこの死で落ち込み、食べられなくなってしまったようだ。人ごとではない。娘さんとはよく散歩の途中に話したりする仲。いつも元気そうなあの人が・・・・・と思うと、胸がつまった。
 気がつくとレオの姿が見えず、さがすと車の後輪の内側にもたれて寝ていた。気づかずに車を発進したら危ない。ただ、車輪の横なので轢かれないかもしれない。

軒下で冬越しさせるシンビジューム
花芽が出てきた
多いものは一鉢で6つの花芽がついた
冷え込む日(5度以下)は霜除けの
不織布をかぶせ、
雪の日はビニールをかぶせる