春のギアが一段アップ

 一昨日と昨日、家に来た植木屋さんが仏様のために花を持ってきてくれた。仏壇や家の中は、剪定した乙女椿や梅の花でいっぱいなので、花をお墓に供えようと思い、お寺に足を運んだ。途中、用水路沿いを通るが、ソメイヨシノのつぼみがふくらんで濃いピンク色に色づいているのを見ることができた。東京の桜の開花予想日は3月31日だが、予想通りに咲きそうな気配だ。だが明日は午後から雨という予報なので少しタイミングが悪い。カラスが桜の木にとまって、つぼみのついた枝を嘴で折り、器用に先端についたつぼみを取り除いて、一本の小枝を作った。嘴でくわえ、近くの葉っぱがいっぱいの木に飛んで行った。巣作りの材料のようだ。
 さらに歩くと、大木のハクモクレンが咲いていた。5分咲きだが見応えがある。この木は2006年から春を告げる木として写真を撮ってきた。満開になると、地上から湧き上がる真っ白な雲のように輝くばかりの美しさ。花の美しさはこの6年間で変わらないが、見る人の人生は変わってきた。
 お寺に着き、墓地に入ると色鮮やかな花々が目に飛び込んできた。お彼岸にお参りした人々が持ってきた花が墓地を彩っている。亡き人のために墓参した大勢の人の思いが花となって残っているようだった。よく見ると花は痛みが目立つ。墓地の静けさが心を落ち着かせてくれた。持ってきた淡いピンク色のチューリップ、濃いピンクのスプレーカーネーション、レースフラワー、黄色のガーベラ、青いオキシぺタラムを父母のお墓に備えた。前からあった乙女椿とともに。

清冽な春の白のハクモクレン、こぶしと思っていた時期があった


今にも咲きそうなソメイヨシノのつぼみ