マリメッコ展に行った

 午後になり急に思い立って東急文化村で開催中の「マリメッコ展」にでかけた。
 東急線の渋谷駅は年に数回くらいしか降りない。改札を出てから目指す出口までたどり着くのが大変に感じた。前は東急線の改札を出てすぐハチ公口に行けたので、それと比べるとすごく不便になったが慣れるしかないようだ。
 土曜日だったこともあり、文化村地下1階で開催中のマリメッコ展はとても混んでいた。チケットを買うのに並び、会場に入るのにも並んだ。中に入ってもなかなか列が動かない。しかたなく列に入らずに見て回った。最初のパネル説明のところでみんな立ち止まるので列が動かないのである。
 マイヤ・イソラによる「イソト・キヴェット」(大きい石)の図案デザインには度肝を抜かれた。白地に黒く大きな石が二列に並んでいる。シンプルで力強いモノクロのデザインだ。マイヤ・イソラは人気の「ウニッコ」(ケシの花)のデザイナーである。
 布の図案デザインと、その布を使ってデザインされた洋服が主な展示品で、洋服は布の意匠を生かすような形に作られているものが多い。
 図案デザインでいいなと思ったものはたくさんある。アン二カ・リマラの「ブーケ」。とても愛らしく気品がある。同じデザイナーの「オアシス」「ケイダス」という図案デザインは大胆でモダン。シンプルな洋服でもファブリックの意匠が異なるとまったく雰囲気が違った洋服になる。
 手描きの線が味わいのある素敵なストライプ模様もあったが名前を忘れた。図案デザインを食器などのテーブルウェアに展開したもの、文具やファッション小物に展開したものもあり、これなら使えるかなと思った。
 人が少ない時にゆっくりと見たいと思うが2月12日までの開催なのでこれからは混雑するばかりかも。


 さがしてもさがしてもいない母家の中を探せる夢さくや見し

 名は知らねど庭の高木に鵯とまり枝先の芽ついばみおり

 バス停を守るがごとく民家の庭に白梅の古木たおやかにあり

 雨戸開く音梅の木にとまりたる鵯するどく反応せり

 混みあへる電車のなか抜け落ちた尻尾に似たるマフラーをひろへり

 混む電車にベビーカー押せる祖母らしき女しきりに恐縮せり

 和紙のごと薄き月影青空にありてわたしが歩けば動く

 バベルの塔三つ四つ建てる渋谷の小さな空に月影浮かぶ

 晴れ渡る空より鮮やかサロンパスの広告塔は渋谷駅前