来春の花壇の準備をぼちぼち

 夜中に目を覚ましたら、風が唸っていた。遠い昔聞いた覚えのある風音にしばらく耳を傾け、すぐ眠りに入った。
 朝は肌寒く、強い風で花壇や鉢植えの花たちが乱れていた。プランターに植えた百日草の一本は根が抜かれたようになり倒れていた。そろそろ花期が終わりかけているので抜いて切り花にした。来年のための種をとるため、倒れていないものはしばらくそのままにしておく。
 陽射しが出るとあたたかくなったので、花壇の手入れを少し。例年ならば、こぼれ種から芽生えた忘れな草が花壇にはびこるばかりなのだが、今年は数えるほどしか生えていない。10年近くこぼれ種で継いできた花の旺盛な命が突然衰えることに驚きを感じる。
 忘れな草の花は小さく可憐だが強い花と思っていた。その強い花も何かの拍子で生命力がそがれることがある。命のはかなさが秋風のようにしみとおる。
 いつもの花壇で勢力を保持できなかった忘れな草は、花壇の外でこぼれ種からわずかに命をつないでいる。庭の通路や鉢植えなどに何本か芽生えた忘れな草の苗を掘り起こし、花壇に植え替えた。群生させるように何本かの苗を一か所にまとめて植えるようにした。自然界では大きな木はともかく、小さな草花は群生することで勢力を保ち伸ばすことができると思う。
 昨日は遅ればせながら、手作りの格子にからませた朝顔プランターから引っこ抜き、来春に向けた苗や球根を植える準備をした。行燈仕立てににした鉢植えの朝顔も同様に。また手をつけていないが、千日紅などの一年草を植えたいくつかの鉢植えも始末して、春に向けた植え替えをするつもりだ。
 午後はお茶を誘われたので近くの友人の家にでかけた。庭の花を切り花にして持って行き、喜ばれた。お花を買いに行こうと思っていたところと。手作りのお萩と日本茶をいただいた。友人も油彩画や水彩画を描くので、絵の話で盛り上がった。
 老犬ももこはお行儀よく留守番をしてくれた。昨日も午後に友人に会いに行き、忘れな草を描いた絵を届けた。ももこは粗相をしないで留守番をしたと思っていたが、今朝ももこが眠っていた広縁が濡れているのに気付いた。もしかしたら、昨日ここにおしっこをしたのかもしれないと思った。
 最近、以前より出かけることが多くなり、ももこには不自由な思いをさせているかもしれない。