連日、わが家の庭では霜柱が立ち、メダカが住む水がめには氷が張っている。今年はいつもより寒いと感じるのは、二つある水がめのうち、一つは毎冬1〜2月には氷が張るが、部屋から眺められる場所に置いた水がめはいままで氷が張らなかったのに、今年は1月に入ってからかなりの頻度で氷が張っているためだ。ただ、氷の厚さには差がある。一方は数センチの氷で日差しが出てても融けないが、一方の氷は薄くて日差しが出るとたいていは水になる。
もうひとつ、玄関脇の紅梅が例年だと12月末からお正月頃から咲き始めるのに、今年はまだ一輪も咲いていないことも寒さを感じる一因。さすがにつぼみはふくらみ、立春のころには一輪くらいは咲くかもしれない状態になっているが。
この寒さはどこから来ているのだろう。もちろん、今年の冬が例年より寒いのは天気予報などで知っているが、わが家の庭の寒さはそれだけでないような気がした。まず。気象庁のホームページで2000年から2012年の1月の平均気温を調べてみると、2001年1月は日平均気温が4,9℃で低くく、今年(2012年)も日平均が同じ4,9℃になっている。他の年は5℃台が4回、6℃台が3回、7℃台が3回で、どの年も2001年、2012年より1月日平均気温を見る限り暖かい。やはり、今年の1月の東京は寒いのだ。さらに2011年12月の日平均気温も7,5℃で、2005年12月日平均気温6,4℃に次いでこの10年間で2番目に低い。このことも、わが家の早咲きの紅梅が咲かない原因のひとつかもしれないなと思った。
さらに、もうひとつ原因が思い当る。昨年12月初めに、道路に面したツゲの垣根をこわして、駐車場を作ったことだ。ツゲの垣根はあるていどの寒風を防ぐ役割を果たしていたのではないか。ツゲの垣根の中は畑になっていて毎冬、氷柱が立ち、わが家の庭でいちばん寒い場所だったが、それでも垣根は風を防いでいたと思う。これを取り払ったために例年より冷たい風が庭全体に吹きこむことになり、実際の気温の低さに倍化して、庭が冷えている。隣の3階建てのマンションが壁のようになっている裏庭はわたしが記憶している限り、霜柱が立つことはなかったのに、今年は1月になって毎日のように霜柱が立っている。部屋から裏庭の霜柱を見るたびに寒さが気持ちの中にもしのびこむような感じがある。裏庭の霜柱は蟻に食われて空洞化してしまったソメイヨシノを伐採したことも関係しているかもしれない。大きな木や生け垣がなくなると、それだけ庭は風を受けやすくなるのではないだろうか。
凍てつく庭だが、乙女椿の花がやっと咲き始め、盆栽の梅の蕾もふくらんだ。玄関脇の紅梅もいまにも咲きそうだし、春が近づく気配が感じられるようになった。