おだやかな秋の晴天が今日も続く。過ごしやすい日が続くので、こころがほわほわほどけてきそうだ。身構えなくてもいいから。
午前中、明治神宮献詠会に11月の兼題の短歌を葉書で送った。兼題は「マスク」である。あまりいい歌が出来なかったがこれ以上考えてもいい歌が出来そうもないと思った。
今日は郵便物がいろいろ届いた。第五十回全国短歌大会選歌集と、ながらみ書房に注文した永井陽子著『モモタロウは泣かない』という本。さらに蒲田で開かれる歌会からみなさんの詠草をまとめたものが。
全国短歌大会ではわたしの短歌が富田陸子さん選の佳作に入賞した。この大会では10人の選者が選者賞1首、秀作2首、佳作17首をそれぞれ選ぶ。全国短歌大会賞は2首選ばれ、複数の選者に選ばれた作品が該当した。
『モモタロウは泣かない』は歌人、永井陽子さんのエッセイや評論などが収録されている遺稿集である。故人の遺志が反映されたかたちで、残された作品が多くの人の協力によって一冊の本となった。
年老いて家事がだんだんできなくなってきた母親との生活や、病気となり入院し、施設に移ってからの母親との交流などを書いた書下ろしの作品も掲載されている。永井陽子さんの短歌とは全く違う、生活の些末な部分も書かれ、文章は新鮮でいきいきとしている。
夕方はいつもの駅前のカフェにバスで行った。豆乳オーレを飲みながら『モモタロウは泣かない』を読んだ。帰りは途中まで歩き、バスが来たので乗って帰った。
朝、友だちに電話をして、いくつか調べて返事をくれることになっていたのだがなかなか電話がかかってこない。
スマートフォンの着信音が鳴ったので友だちかと思ったが、知らない電話番号からだった。出るとなつかしい声と名前が・・・・・・。
6年前に電話で話したのを最後に連絡を取ろうと思ってもとれなかった、古くからの知人だ。出逢ったのは柴犬レオの散歩のときで20年以上前。知人は当時28歳だった。14~5年は犬の散歩をいっしょにしたり、ときどき昼食を食べるなどつきあいが続いたが6年あまり前に途絶えた。
なつかしくなり10分余りいろいろ話したが、知人がわたしに電話をかけた目的が共通の知人の電話番号を聞きたいため、と知ってがっかりした。
6年前の最後の電話も、この同じ共通の知人の電話番号を教えてくれという電話だったのだ。知人は親しくしていた人に裏切られたとかで、スマホを変え連絡先のすべてを破棄したようだ。それでわたしに聞くことになった。
「また電話するね」と知人は言ったがどうだろうかとわたしは思う。多分、電話はないだろう。でも「電話をするね」と言ってくれただけでまあいいか。