家でのんびり永井陽子を読む

 昨日,久しぶりに映画を見に行ったので疲れが残ったのだろうか。

 外に出かける気分になれず、ずっと家にいた。買い物にもでかけなかった。

 くしゃみを何回かしたので調子が良くないと思い、からだを休めたのである。

 昨年末、図書館から借りた永井陽子全歌集は今月の8日ごろまでに返さなければいけないので、日中のほとんどの時間は読書にあてた。 

 永井陽子さんの歌集は4年前にも読んだが、あの時と現在では歌を感受する力がぜんぜん違う。4年前はよくわからない歌が多いと感じた。読んでもどこか未消化だった。現在は永井陽子さんの歌を読んでより多くのものをより深く感じることができるようになった。だから歌を読むことが楽しくなった

 午前中、パソコンのメールをチェックすると昨年から関わりを断っている人からの年賀メールが届いていた。昨年の年賀状は出したように覚えている。今年は出さなかった。返信はしないことにした。

 高校時代のクラスメートの新年メールもあった。例年の(昨年は中止)クラス会に出席している全員に届くようになっている。コロナ禍の日々、コロナ禍の正月が綴られている。ひとりは浅草寺にお参りに行ったようだ。

 

 ゆふそらのいろに似てゐる人参を買ふよろこびのすくなき日なり

 

 長き休暇のゆふぐれにおもふことすべては君につながりゆきぬ

 

                永井陽子『小さなヴァイオリンが欲しくて』

 

揚げたてのコロッケ買いもとむ店先で君の姿をさがしたる町

 

二階家の屋根の上より冬の陽が居間にさしをりつかのまのこと

 

いぬつげの垣根の根元火のやうなサルビアの花植ゑにき父は