短歌誌に投稿する随想についてのアイデア

 一日中雨が降る。それもかなり強めの雨なので、散歩に行こうという気は起らなかった。

 2回買い物に外に出た以外はずっと家にいた。気持ちよく家で過ごせるように、午前中は3つある部屋や広縁、廊下、台所などに掃除機をかけた。

 読みたい歌集を5~6冊、身の回りに置き、読み始めた。今年の6月に亡くなった短歌の先生の歌集『思郷』や、同じ6月に亡くなった石川不二子さんの歌集『鳩子』。その他身の巡りに置いたのは、江戸雪さんの『セクション歌人 江戸雪集』や俵万智の『かぜのてのひら』など。

  江戸雪さんの歌集にわたしの気持ちを代弁するような歌を見つけた。

 

風つよきホームにたちて夜半近く出奔の夢すてきれずいる

 

抱かれず なにも抱かずねむりたり半島にあねもねの咲く夢

 

 ときどきなにもかも捨てて、誰もわたしのことを知らない所に行きたくなることがある。二十台の半ばにこのような思いを持ち、半ば実行したしたことがある。半ばというのは人間関係を7~8割くらい捨てて、新しいところに引っ越したからだ。

 この歳になって、こんな思いを魔がさすように抱くとは思わなかった。もう今となっては無理と言う思いもある。

 

 さてさて、10月末が、季刊の短歌誌に投稿する原稿の締め切りだ。次号は第80号の記念特集号なので、短歌(詠草)10首に加えて随想を原稿用紙1~2枚投稿することになっている。

 随想というと荷が重たい感じがあるが、雑感でもよいとのこと。雑感というと気軽さがある。

 何を書こうかと考えて、二つのアイデアが出た。ひとつは昨年出会ったばかりの淡路島から近所に引っ越して来た知人のこと。まだ知り合って一年と4か月くらいしかたっていないが、彼女とのエピソードを詠った短歌が2首も短歌会で佳作に入賞した。昨年と今年に詠った短歌である。彼女との不思議な縁を綴ってみたいと思った。

 もうひとつは横浜の大桟橋で出会った中国人の女性カメラマンとの一期一会。いつかまた会えるかもしれないが多分、一度だけの出逢いのような気がする。わたしに強い印象を残した女性をみなとみらいの夜景を織り交ぜて綴ってみたい。