Sompo美術館に行き、ゴッホのひまわりを見る

 暑苦しい夜を何とかしのいで、朝は昨日より陽射しがなくて過ごしやすいかなと思った。だが時間が進むにつれ、陽射しが強くなり、湿度も高く、昨日より暑苦しい一日となった。

 こんな日に事前予約のチケットを買ったSOMPO美術館に足を運んだ。午前11時から11時59分まで入場可能のチケットである。 

 JR山手線・新宿駅前から地下通路を歩いて行けるようだが、地下通路に出ることができず、地上を移動した。めちゃくちゃ陽射しが強く、少し歩くだけで汗が噴き出してくる。

 美術館にようやく着くと、館内はひんやりしている。予約時間の早い方に着いたようで最初はガラガラだったがだんだん人が増えた。とはいってもゆとりを持って鑑賞できる人数だ。

 最初に五階に上り、下って展示会場を移動する。ゴッホのひまわりは最後の2階の展示会場に展示されていた。

 その前にゴーギャンの風景画が一点展示されていた。ゴッホとアルルの黄色い家で共同生活を送るようになり、いっしょにスケッチに行った、その時の作品ということだ。

「アリスカンの並木道」というタイトルだ。ゴッホのひまわりが描かれた年と同じ1888年に描かれた作品である。

 撮影可なので何枚も撮ったがSDカードの保存せず、スマホ本体に保存したため、パソコンに取り込めない。本体からカードへ、データの移動ができるそうだがその方法がよくわからず、写真のアップロードができない。

 国立西洋美術館で観たロンドン・ナショナル・ギャラリーのゴッホのひまわりと、こちらのひまわり。前者の絵を見て,後者の絵を描いたという。ギャラリーのひまわりは実際のひまわりを見て描いた。SOMPOのはその絵を見ながら描いたものだ。

 背景の色がSOMPOのほうが緑がかっているように見えた。SOPMOのほうは黄色の反対色の赤が入っているがギャラリーのほうは反対色の青が入っていた。

 二枚を並べて見比べてみたいがこの夢はかなわないだろう。

 

 家に汗だくになって帰りついたのは1時半ごろ。おそい昼食を食べ、少し昼寝をした。目覚めてしばらくたつと近所の知り合いの奥さんが来たので、家に上がってもらった。わたしが描いた葉書サイズの絵を気に入ってくれて、この前、何枚かを一枚50円で買ってくれたのだが今回は15枚を買ってくれた。

 本音を言うと売り物ではないので、気に入ってくれれば数枚くらいはさしあげてもいいのだが、枚数が多くなるとあげるわけにもいかず、買ってもらうのも実は困る。一枚一枚、思い出のある絵で、わたしが持っていることに意味がある絵なのだ。

 これからは買ってもらうことを念頭に置き、同じ絵を何枚か描いた方がいいかもしれない。どの絵もわたしには大切な絵で、どの絵も大好きな絵だから、手元に置いておきたい。だから買ってもらうための絵を描くようにするしかないようだ。

 夕方になり、雷鳴が鳴り雲行きがあやしくなった。雷雨が降りそうだが傘を持って散歩に出かけ、古墳のある公園で友だちとラインで連絡を取り、落ち合った。すこし散歩して帰りはバスで帰った。

 家に着き、少したって雨が降り出した。雨が降る庭を白い大きな蛾が飛び立った。大きな羽根をふわふわ羽ばたき、どこか夢みたいな飛び方をする。目で追い、数歩追ったが見失った。白い大きな蛾が飛んでいるのを見るのは初めてなので、なんか不思議な、夢を見ているような気持ちになった。

 

追いかけるわれの視線のその先を白き蛾闇へ溶けゆきにけり