6時過ぎに起きて庭に出た。空を見上げると雲がきれいなのでデジカメを取りに戻り、また外に出た。
秋の雲だ。うろこ雲の総柄の着物のような空。
昨日、友だちから16歳5ヶ月あまりの柴犬がなにも食べないので、なにをあげたらいいだろうと電話があった。肉類が好きだから、とりのささみをゆがいてあげれてみれば?と答えた。他にもチーズや卵など好きなものを何でも食べさせればいいと言った。
その犬のことが気になり、午前中友だちに電話をすると「様子がおかしい」と言う。昨夜から朝10時過ぎまで目を覚ますことなく、身動きもせず寝ていると言う。夜はおしめをして寝ているが、 朝になりおしめを取ってもおしっこをしてない。いつもはおしめが濡れているのに、と友だち。
午前中は近くの特別支援学校に行く予定なので、お昼頃わたしのほうから電話をして、犬の様子を見に行くことを約束して電話を切った。
特別支援学校のカフェではいつものようにハーブティーとサービスの珈琲を飲みながら、知人友人と他愛のない話を楽しんだ。
カフェを出て、さきほどの友だちに電話をしてから自宅に行った。友だちの老犬は居間に敷いた布団の上に横になっていた。電話で聞いた話から想像していたより落ち着いた感じでそんなに切迫した様子はなかった。深くゆっくりと息をしている。犬のからだをなでであげた。
友だちも朝電話で話したときより、呼吸が力強くなったと。朝はもっと呼吸が弱く、息をしているのかどうか危ぶんだほどだと言った。
落ち着いているので動物病院に無理に連れて行くことはないが、どうしても病院に行かなければならなくなったらわたしが付き添うから、と言って友だちの家を出た。
家に帰り昼食をまだ食べる前に友だちから電話あった。動物病院に電話をしたら尿が出ていないので出した方がいいから、夕方病院に来るように、言われたとのこと。わたしが付き添って行くと伝えた。
しばらくして友だちからまた電話があり、買い物から帰ってきたら、大量のおしっこをしていたとのこと。動物病院に行かなくて良くなったととてもうれしそうな声で話した。よかったねとわたしも喜んだ。なにしろ友だちの犬は大の病院嫌いだから。
友だちの犬は高齢で認知症を患っていて、夜中に起きて鳴くことが多いので、睡眠薬を処方してもらい飲んでいる。さらに、最近発作を2回起こし、てんかんの薬も飲んでいる。どちらも脳の状態を鎮静化する薬なので、両方を飲んで効き過ぎたのかもしれないと思った。
いままで飲んで大丈夫でも、薬の成分が蓄積するとか、老犬なので体調が不安定で薬が効き過ぎるとか、いろいろ理由が考えられる。あくまで推測ではあるが。
友だちの安堵した声を聞いてわたしも心からよかったと思った。
犬たちにまつはる悔いのいくつかを胸にひめつつ今日を生きる