お盆を迎えて

 曇天で夕方から小雨が降りはじめた。梅雨はまだ終わりそうにない。

 1週間かけてお盆を迎える準備をしてきた。

 東京は今日からお盆である。

 午前中、花壇の鉄砲百合を2本切り、百日草とエキナセアをそれぞれ1本づつ切った。犬たちのために紫陽花を3本とミニバラ1本を切った。

 盆棚に一対の花入れを置き、紫陽花や鉄砲百合を活けた。柴犬レオや老犬ももこのk瓶にも新しく切った紫陽花を加えた。犬たちはいつもわたしのそばにいるような感じを持っているので、お盆だからこの家に来るという感覚はないがやはりきれいな花にしておきたい。

 お昼近くになり近所にある菩提寺に墓参りに行った。

 いつもは閑散としている寺だが今日は人が多い。家族で墓参に来ている人もいる。

 お供えの花は寺に用意されているのでそれを買い、花立に手向けた。お盆はわたしのなかでは世間の習わしみたいなものだが、この時期に父母の墓に花がないのは寂しいだろうと思って墓参に来ている。ほんとうは誕生日や命日、父や母に話しかけたい時に墓参に来る方がいいと思っている。

 また、一年に一度里帰りをする霊魂の父母を迎えるのもいいと思っている。そのたびにこの家にいた頃の父や母を思い出すことができるから。積もる話はあるのだが話せない父母がこの家に来るだけでもいい。

 寺から帰る道は川沿いを通り、その川に顔なじみの白鷺と,軽鴨の親子がいた。軽鴨は親が一羽、子供が一羽。母一人子一人で、例年たくさんのひなを連れているのを見慣れている目には寂しく映る。こちらが勝手に顔なじみにしている鷺は二か月ほどこの川に見かけなかったが多分、巣作り、子育てをしていたのではないかと想像している。この白鷺と別の白鷺が二羽で飛んでいるのを見たからだ。

 また一羽に戻った白鷺は前と同じようにえさを探す毎日を送っている。こころのなかでいつも応援している。

 午後に弟から電話があり、家に来ると言う。郵便物を渡し、少しだけ話した。仏壇にお線香をあげてくれた。いつものようにお菓子を持ってきてくれたのでお供えした。

 弟が帰った後、いつもは車で行く駅前のスーパーマーケットに歩いて行った。道すがらいろいろなものを見ながら歩くの好きだ。湿度が高いが時折いい風が吹く。

 母親の好物、枝豆を買い、ビールも買った。帰りは途中から小雨が降り始めた。

 迎え火はあまり暗くならない時間に炊いた。7時頃だろうか。あっという間に細かく千切ったおがらが燃えてしまった。ほんとうに短い時間で、ろうそくに火を移す間もなかった。火を焚きながら、二匹の犬がいた頃のお盆をふっと思い出した。 

 

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庭から切った花を手向けた盆棚、昼間撮った写真

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川で見た白鷺

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川べりの石を敷いたところに軽鴨の親子がいる、こどもはだいぶ大きくなった