朝顔がひとつだけ咲いた

 昨日は雲が多いにしろ青空がのぞいたが、今日はどんよりとした空となった。

 引き続気温が上がらず半袖に何かをはおりたくなる。

 いつも行く近所の特別支援学校に、わたしが描いたすももの絵を三点持って行った。最近描き終えた紫陽花苑の絵も持って行った。

 紫陽花苑の絵はスケッチブックの二枚目に描いてあり、一枚目には4年弱前描いた日比谷公園にある洋館の鉛筆スケッチが残されている。

 紫陽花苑の絵よりその洋館の鉛筆スケッチが評判がよく、ちょっと複雑な思い。

 この絵は東京の近代建築絵画展に出展しようと描いたものだが、その展示会が中止になってしまい、未完成のまま放置していたものだ。水彩色絵具で彩色して完成とするはずだったが、中止を聞いて描き続ける気が失せてしまった。

 当時は、老犬ももこが家にいて、ももこに留守番をしてもらって日比谷公園にでかけた。未完だがなつかしい思い出のある絵である。

 この絵は今日まで誰にも見せたことがないが、見てもらったら思いがけなく評価された。色付けをしてもいいが、このままでもいいと。

 人に見てもらうことで未完成の絵が未完成のまま完成したのかもしれない。

 人に見てもらうことで、老犬ももこと暮らしながら絵を描いていた日々が評価されたような気持ちになり、ももこへの思いを新たにすることもできた。

 日照時間が短くて、5月に定植した草花の成長が思わしくない。そんな中で朝顔がひとつだけ咲いた。例年に比べて早いのか遅いのか。

 つるを盛んに伸ばすがつぼみをひとつもつけていない朝顔があるのも気がかりだ。この朝顔は老犬ももこがいた夏(2016年)に咲いたもので、うすい桃色の花を咲かせる。今年も咲いてほしくて、去年種を採取したが種があまりできずに一つか二つくらいしか採れなかった。生命力が弱いのかもしれない。花の色によって種がたくさんできるものとそうでないものがある。

 

 二か月ほど見かけぬ鷺が街川に戻りすぐさま餌を探しはじむ

 

 映画『日々の名残り』で、執事の男性と昔あわいロマンスがあった女性が再開した後、別れる場面を詠んだ。女性の立場から詠んだ。

 遅れてほしきバス定刻に来れば君との別れ少し早まる

 

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