雨のち晴れの3月11日

朝5時頃目が覚めたとき、雨の音がしてこの音を朝聞くのは久しぶりと思った。

雨戸を開けると、庭のくぼみに水がたまり、かなりの雨が夜の間に降ったことを知った。

 いつの間にか雨は止み、午前中は陽射しが弱かったがお昼頃から青空がひろがり、午後はたっぷりと陽射しが降りそそいだ。

 

ちか まだ曇っていとき庭に出て、桃の木の下に咲いていた青紫色のクロッカスの花群れを見ると雨と風にやられて花が横倒しになっていた。

 昨日きれいに咲いていた花を思い出し、短い命だなとつくづく思った。

 今日は8年前、東北地方を中心に関東地方までの広い地域を強大な地震が襲い、海岸に近い町々は十数メートルに及ぶ津波に飲みこまれた。

 正午には1分間の黙祷がおこなわれ、わたしも家で黙祷した。

 黙祷しながら8年前を思い出していた。この家にいて激しい揺れに襲われ、家を飛び出したこと。当時まだ13歳だった柴犬レオを部屋のなかに置いたまま飛び出してしまい、土足で家に上がり抱いて外に連れ出したこと。地面が激しく揺れて立っているのが難しかったこと。揺れは長かった。

 父はその年の2月2日に他界し、家には父の遺骨が安置されていた。遺骨は大丈夫だったが、花瓶が倒れ畳が水びたしになった。お供えの品々も畳に散乱した。

 東日本大震災が起こs席を設けたが店内はわたしたちだけだった。

 大震災の翌日ということでわたしたち以外はすべてキャンセルだったようだ。親戚のひとりが屋根瓦が落ちたと言って欠席したのをおぼえている。

 なぜあの日の納骨を延期しなかったかというと、再度スケジュールを決めることが煩わしかったのと、父の遺骨を早く落ち着かせてあげたかったから。

 わたし自身、父の看病で疲れはてたので余力がなかった。もう一度仕切り直すことができなかった。

 大地震を知らずに逝って父はよかったと8年前も思ったし、今もそれは変わらない。

 

 3月15日消印有効の短歌大会に送る短歌をいろいろ考えたが例によってこれだという歌ができていない。

 この前他の短歌大会に送った1首は、ひとつ欠点があることに後になって気づいた。

後で気づいても遅いが気づくだけでもいいと思うことにした。

 

昨日(きぞ)の庭に花の盛りのクロッカス一夜の雨に花びらしほれ

 

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小雨が降るなかで撮った白い沈丁花

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こちらも小雨の中撮ったおかめ桜

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椿の花が落ちた庭道

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晴れてから撮った柿の木と染井吉野

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晴れてから撮ったおかめ桜と空