斎藤史の歌集を三冊読み終えた

 朝から雨が降り続く。風はほとんどなく静かな雨。
 一日中家にいて、本を読んだり、明日の歌会のために選歌したりした。
 少し前から明治生まれの歌人斎藤史の歌集を読み始めた。いつも行く図書館から借りた三冊の歌集を読み続けた。
 三冊の歌集は「ひたくれなゐ」「渉りかゆかむ」「秋天瑠璃」である。今日、三冊目の「秋天瑠璃」を読み終えた。斎藤史はどこか相性がいいのかもしれない。わたしにとって読みやすい。「秋天瑠璃」は特に鶏やうさぎなど動物を詠んだ歌があり、動物を見る齋藤史の目線が共感できる。同じ生き物としてこころを寄せるが甘すぎない目線。
 「ひたくれなゐ」は(修那羅峠)が印象に残った。
  実は安永蕗子の歌集を読み始めてなかなか読めずにいた。安西蕗子を読む前に読みたかったのが斎藤史だったので、では一度戻って最初に読みたかった歌集を読もうと思った。
  三冊図書館から借りて、つぎつぎと興味がわいて引っ張られるように読むことができた。生前の最後の歌集と没後編まれた歌集も読んでみたいがもう少し時間を置くことにしよう。

  剪定を怠りし柘榴赤あかと花あまた咲きわれを出し抜く

  父植ゑし幼き庭木逝きてのち花咲きそめてわかるその名よ

  二部屋に線香の香りかすかなり父母と犬二匹がをりて